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相続のために財産目録を作成したほうがよい理由と必要項目とは?

2023年04月13日
  • 遺言
  • 相続
  • 財産目録
相続のために財産目録を作成したほうがよい理由と必要項目とは?

身近な人から相続トラブルの話を耳にするなど、ふとしたタイミングで「遺される家族のためにも、自分も遺言書を作っておいたほうがよいだろうか」と考えることはありませんか?
実のところ、円滑な相続を希望するのであれば、財産目録もあったほうがよいものです。しかし、遺言書のメリットについては何となく理解していても、財産目録の必要性はあまりピンとこない方が多いかもしれません。

民法改正により、平成31年1月13日以降に作成する自筆証書遺言ではパソコン等で財産目録を作成することが可能となっています。そこで今回は、財産目録を作成するメリットと作成方法を中心に、ベリーベスト法律事務所 大宮オフィスの弁護士が解説します。

1、財産目録とは?

財産目録とは、被相続人の財産を明確にするために作成する一覧表です。法律上、必ず作成しなければならないというものではありません。

しかし、預金や不動産、株式や投資信託、保険金などの積極財産と、借金やローンなど消極財産を整理することで、相続財産全体を正確に把握することができます。財産目録を作成しておくことで得られるメリットについては、次項で詳細に解説します。

2、財産目録を作成するメリット

財産目録によって、生前から財産全体を把握しておくことには以下のようなメリットがあります。

  1. (1)円滑な遺産分割協議

    生前に財産目録を作成することで、遺言書を書く際に、誰に何を相続させるのかを決めやすくなります。

    遺言書も財産目録もなく相続が開始されると、遺産分割協議をする段階で、最初から財産を調べなければならず、遺族にとって負担が大きいものです。また調査の過程で、隠している財産があるのではないかとお互いを疑ってしまうことも考えられます。

    身内とはいえ、遺産相続となると普段の関係性が崩れることも多いものです。財産目録を作成しておくことで、トラブルを回避し、円滑な遺産分割協議が期待できるでしょう。

  2. (2)相続方法を決定しやすい

    財産というと、現金や不動産などのプラスの財産のみを想像しがちですが、借金なども含まれる可能性があります。

    配偶者や子どもに借金やローンがあることを明かしていないケースもあるでしょう。このまま順調に返済していけば、問題なく完済できると思っていても、死がいつ訪れるか分からないのが人生のつらいところです。

    借金などないだろう、と遺された家族が財産をそのまま相続した結果、大きな負債を抱えてしまう可能性もあるのです。それを避けるためには、一切の遺産を相続しない相続放棄か、プラス財産がマイナス財産を上回った場合のみ相続する限定承認を選ばなければなりません。

    ただし、相続放棄も限定承認も「相続があったことを知ってから3か月以内」に手続きが必要とされているため、この期間を過ぎた場合はいずれも選択することが難しくなります。相続人が早い段階で財産全体を把握し、必要に応じて相続方法を検討するためにも、すべてをつまびらかにした財産目録があったほうがよいでしょう。

  3. (3)相続税の対策

    相続税の基礎控除は「3000万円+(法定相続人数×600万円)」です。これを超える遺産がある場合には相続税が課税されます。

    そして相続税は「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内」に申告と納税を済ませるものとされています。これを過ぎると無申告加算税や延滞税などが発生するため大きな負担になります。

    そのため、できるだけ早い段階で財産全体を把握して相続税の申告が必要かを判断し、相続税の納付方法についても検討しなければなりません。計算の結果、多額の相続税となり一括納付が難しい場合は、複数年に分けての延納や、財産そのもので納める物納に変えることもできます。

    ただし、これらは申告期限内に申請する必要がありますので、早めに相続税額が確定することが重要です。また、相続税申告書類でも財産の明細が必要となりますので、財産目録があれば便利です。

    生前に財産目録が作成してあれば、相続が開始されたときに財産の洗い出しの時間を短縮することができ、相続手続きの期限に余裕をもって進めることができます。

3、財産目録の作成方法

財産目録は多くの場合、遺言書とともに作成することが多いものです。

これまで「自筆証書遺言」という形式で作成しようとしたとき、その名の通り、財産目録も含めてすべて遺言者自身で手書きする必要がありました。

しかし、民法改正により、平成31年1月13日以降、財産目録についてはパソコンからの印刷、複写した書類などを使用することが可能となりました。これらを使えば、一覧や総額が分かりやすく作ることができるでしょう。

さらに、自筆証書遺言書保管制度が令和2年7月10日よりスタートしています。これにあたり、保管できる遺言書・財産目録には余白などに一定のルールが設定されました。もし、法務省による保管制度を利用する予定であれば、法務局のサイトを確認して書式を作成しましょう。
自筆証書遺言書保管制度について

ただし、本制度では争いが起きにくい遺言内容になっているかどうかの確認をしてもらえるわけではありません。作成時に不安があるときは、弁護士によるサポートを受けることをおすすめします。

4、財産目録に記載すべき項目

財産は、積極財産と消極財産に分けて記載するとよいでしょう。
以下、財産の種類によって記載すべき項目があります。目録を作成する際に漏れがないよう確認しておきましょう。

  1. (1)積極財産の詳細

    積極財産とは、預金や株式、不動産、車や貴金属などが該当します。また、誰かへ融資していればその契約書や、特許の権利などについても積極財産に含まれます。

    ●預貯金・現金
    必要項目:金融機関名、支店名、預金種目、口座番号、口座名義、残高

    預貯金は、トラブル回避のために残高証明書だけではなく、未記帳分があればすべて記帳をしたり過去明細を取り寄せたりして、お金の動きが分かるようにしておきましょう。
    ネット専用銀行や、通帳レスの銀行口座など把握しにくい口座のことは、特に漏れがないように書き記しておきましょう。

    ●不動産
    必要項目:地番を含む所在地、地目、種類、地積、床面積、名義

    法務局で取得できる不動産登記簿の「全部事項証明書」で確認できます。
    全部事項証明書には、現在の所有権だけでなく、所有権の移転・抵当権の設定・抹消など過去履歴もすべて記載されています。抵当権の有無は必ず確認しましょう。

    ●株式・投資信託
    必要項目:種類、証券会社、銘柄、数量、価格、名義

    評価額が分かりやすい株式や上場株式に対し、非上場株式の評価額を調べるのは難しいことが多いため、詳細まで記載しておくことをおすすめします。

    ●動産・その他の財産
    自動車や貴金属、書画、古美術品なども財産目録に記載しますが、評価額が分からない場合には査定に出して確認しましょう。また、ゴルフ会員権はゴルフ場の名前、運営会社、会員番号などを記載します。

    ●債権
    必要項目:債権の種類、貸付先、残額、返済期日
    貸付金などの債権があれば記載します。

    ●無体財産
    必要項目:権利の種類、特許出願日、特許番号、著作権信託証書番号など
    著作権(原則的保護期間は著作者の死後50年)や、特許権(原則的保護期間は出願後20年)および実用新案権(原則的保護期間は出願後10年)等の工業所有権も相続できます。
    なお、工業所有権を相続した場合、特許庁長官に相続の届け出が必要です。
    著作権は発生に関して何ら登録の必要のない権利ですが、令和元年7月1日から相続などの一般承継による著作権移転を文化庁に登録することが可能となりました。(必須ではありませんが、登録することで権利を主張する第三者に対抗することができます)

    無体財産については、事前に弁護士に相続方法について相談することをおすすめします。

  2. (2)消極財産の詳細

    消極財産とは、いわゆる借金など、マイナスとなる財産を指します。

    ●負債・債務
    必要項目:債務の種類、返済相手、未返済額、返済期日など

    債務には、借金や各種ローン、未払いの税金、家賃、地代なども含まれます。
    金融機関のローン等は、残高証明書を発行してもらうことで、正確な残高を把握できます。

  3. (3)みなし財産

    みなし財産とは、もともとは亡くなった方の財産ではないものの亡くなったことによって相続財産になりえる財産、つまりは主に死亡保険金などが該当します。

    ●生命保険金・退職保険金
    必要項目:保険会社、保険番号、受取人名義
    生命保険金は、受取人が被相続人の場合は相続財産に含まれるため、財産目録に記載しますが、受取人が被相続人でない場合には財産目録に記載する必要はありません。

5、全ページへの署名押印を忘れずに

前述の通り、財産目録はパソコン等を使用しての作成・印刷や通帳の複写など、自筆でない手段での作成が可能となっています。

ただし、自筆でない財産目録を作成する場合は、他者による改ざんがないことを証明するために、全ページに署名と押印が必要です(民法第968条第1項、第2項)。この署名押印がなければ、遺言書における財産目録としては無効となってしまいます。必ず署名押印をするようにしましょう。

また、財産目録を作成するためにさまざまな情報を改めて精査する作業が必要になるでしょう。それらの手間は、想像以上かと思われます。もし、財産目録を作成する手間や時間を省きたい、適切な内容の遺言になっているのか不安があるときは、弁護士に相談することを強くおすすめします。

6、まとめ

遺族にとって、財産目録があることが大きなメリットになることをご理解いただけたでしょうか。財産目録が自筆でなくても作成できるようになり、作成の難易度がぐっと下がりました。また法務局での自筆証書遺言書保管が開始されることで、遺言書の紛失・破棄・改ざんリスクが下がり、よりスムーズな相続につながると考えられます。

しかし、正確な財産目録を作成することはなかなか手間がかかる作業でもあります。財産目録の作成をご検討の方は、ベリーベスト法律事務所 大宮オフィスまでご連絡ください。遺言書のご相談も含め、大宮オフィスの弁護士がご希望に添った相続が実現できるよう、サポートします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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