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書類送検されると会社をクビになる? 弁護士が対処法を解説

2022年12月05日
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書類送検されると会社をクビになる? 弁護士が対処法を解説

テレビのニュースや新聞などの報道に目を向けると「書類送検」という用語をよく目にします。平成29年12月にさいたま市大宮区で起きたビル火災について、適切な避難誘導を怠り、客を死亡させたとして、平成30年12月に風俗店の経営者や従業員ら4人が書類送検されたという報道がされています。

刑事事件を起こして書類送検される事態になったとき、気がかりなのは仕事への影響です。特に、会社員として働いている場合は「会社にバレるのではないか?」「クビにされるのではないか?」といった不安は拭えないでしょう。

本コラムでは「書類送検」されると会社にバレるのか、書類送検されると解雇されるのかについて、ベリーベスト法律事務所 大宮オフィスの弁護士が解説します。

1、書類送検されたことは会社にバレる?

刑事事件を起こしてある程度の段階まで手続きが進むと「書類送検」されることがあります。
書類送検とは何か、また、書類送検されると会社にバレてしまうのかどうかについて、弁護士が解説します。

  1. (1)「書類送検」とは?

    犯罪を認知して最初に捜査を進めるのは警察です。しかし、警察には「犯人を罰する」という権限はありません。

    犯人の処罰を決めるのは裁判官・裁判所だけであり、必ず刑事裁判の手続きを経る必要があります。そして、裁判所に対して「刑事裁判を開いてほしい」と起訴できるのは「検察官」だけです。

    刑事事件は、一次的な捜査を警察が担い、次に、事件が警察から検察官に引き継がれ、検察官が起訴・不起訴を決めます。この「警察から検察官へ」の引き継ぎを「送致(検察官送致)」といいますが、その中でも特に、被疑者を逮捕せずに書類や証拠品だけを送致することを「書類送検」と呼びます

  2. (2)書類送検されたことが会社にバレる可能性は低い

    令和3年版の犯罪白書によると、令和2年中に検察庁が処理した刑事事件の総数は28万1342件でした。このうち17万6076件は逮捕を伴わない事件だったことがわかっています。これは、検察庁が処理した刑事事件のおよそ62.5%にあたる数字です。

    冒頭で紹介した事例のように、過失とはいえ人が死亡したなど重大な結果が生じた事件や、社会的に大きな注目を集めているような事件でなければ、書類送検されても報道されることはないでしょう。
    報道されても実名が伏せられるケースが大半なので、書類送検されたという状況が会社に知られてしまう可能性はほとんどありません

    もっとも、会社の同僚を相手とした暴行事件、会社内で起こした窃盗事件などでは、捜査の過程で会社や関係者の協力を必要とします。会社との関係が深い事件では、会社にバレてしまう事態を防ぐのは難しいかもしれません。

2、書類送検を理由にしたクビ(懲戒解雇)は不当解雇になる?

書類送検されてしまった場合に心配になるのが「会社をクビになるのではないか?」という点です。

そもそも「解雇」とは、会社側から一方的に労働契約を終了させるという強力な処分であり、労働者に重大な不利益を与えるものです。そのため、解雇が認められるためには、客観的・合理的な理由が必要であり、解雇することが社会通念上相当と判断される場合に限られます。このことは労働契約法に定められているため、たとえ雇用主であっても簡単に解雇を行うことはできないものです。また、一般的には懲戒解雇の基準は就業規則に定められている必要があります。したがって、就業規則に定められた基準に該当しないにもかかわらず懲戒解雇された場合や、書類送検されただけでクビにするという扱いを受けた場合には、会社側の「解雇権の濫用」が問題となり得ます。裁判などを通じてあなたの訴えが認められれば、解雇は無効です。

とはいえ、犯罪の容疑をかけられて捜査され、書類送検されたという状況があると「解雇されるだけの理由がある」と考える方は少なくないかもしれません。しかし、書類送検された段階は、これから検察官が刑事裁判を提起するかどうかを判断する状況にすぎないといえます。まだ刑罰はおろか、刑事裁判が開かれてさえもいないのだから、犯人としての不利益を受ける事態は容認されません。

刑事裁判によって有罪とされない限り、犯人として確定したわけではないのです。特に、容疑を否認している状況で書類送検されたのなら、解雇の撤回や損害賠償を求めることが可能となるでしょう。

3、刑事事件を起こした場合の処遇はケース・バイ・ケース

刑事事件に対する会社の処遇はケース・バイ・ケースです。状況別に、どのような処遇が考えられるのかをみていきましょう。

  1. (1)逮捕されたとき

    「逮捕された」という報道をみると「犯人が捕まって事件が解決した」と読み解いてしまう方も少なくないようです。しかし、逮捕とは、あくまで「犯罪の疑いのある者」の身柄を拘束して捜査を行うというものにすぎません。

    つまり、逮捕された段階は「犯人だという疑いがある」だけで「犯人だ」と断定されたわけでも、罪を犯して罰を受けている状態でもありません。あらぬ疑いをかけられてしまい、誤認逮捕されている可能性も否定できないでしょう。

    会社が逮捕をもって解雇とするのは、基本的には不当であると考えられます。もちろん、逮捕されている状況では会社に出勤することもできないので、本人の希望に基づいて有給休暇の扱いにする、休職扱いにするというのが一般的です。

  2. (2)不起訴になったとき

    書類送検された、あるいは逮捕後に送致された場合は、検察官が起訴・不起訴を決めます。ここで検察官が不起訴を選択した場合は、刑事裁判が開かれないので「犯人」としての刑罰は受けません。刑罰を受けないのだから、前科もつかないことになります。

    不起訴となれば、解雇を含めて懲戒処分を回避できる可能性があります。ただし、不起訴は前科がつかなくても、「無罪」とまったく同じという意味ではありません。不起訴となるには必ず理由があり、その理由によって内容が異なるためです。

    たとえば、検察官が「起訴猶予」とした場合は、犯罪行為に及んだことは認められるものの、本人の反省の度合いや被害者への賠償状況などを考慮して「あえて起訴しない」という意味になります。いっぽう、「嫌疑なし」を理由に不起訴とした場合は「容疑が晴れた」という意味になるため、無罪と類似の意味合いとなります。

    会社の就業規則に定められた懲戒処分の基準にもよりますが、不起訴になれば必ず解雇を避けられるというものではないと心得ておきましょう。

  3. (3)有罪判決を受けたとき

    刑事裁判で有罪判決を受けると、各犯罪に定められている範囲で刑罰が科せられます。

    わが国における刑罰は、主刑として死刑・懲役・禁錮・罰金・拘留・科料が、付加刑として没収が定められています。主刑の重さは死刑>懲役>禁錮>罰金>拘留>科料です。

    クビにされてしまうことが不当解雇ではないといえるかどうかは、就業規則を確認する必要があります。一般的には、「禁錮以上の刑罰を受けたときは懲戒解雇」などのように刑罰の重さに応じた処分を定めている会社が多いでしょう。会社の業務との関連性や会社の社会的評価の低下の有無などにもよりますが、有罪判決を受けた場合は厳しい処分を受け入れざるをえない可能性があります。

    なお、懲戒解雇を受けてしまえば、会社の規定に従って退職金が減額・不支給となるおそれがあるだけでなく、失業保険の給付で不利になったり、その後の再就職に悪影響を及ぼしたりします。有罪判決が避けられない状況だった場合、会社側の厚意で実際に判決が下されるよりも前に自主退職を勧められて、退職金を支給してもらうといったケースもあるようです。

4、解雇を避けるには弁護士のサポートが必須

書類送検されたことを理由とした解雇は、法律の考え方に照らせば不当だといえます。しかし、会社の評判や社内への示しなどに不安を感じた会社側から、懲戒解雇を含めた厳しい処分を言い渡されてしまうおそれがないとも断言できません。

いまだ犯人とはいえない状況なのに解雇される事態を避けるには、弁護士のサポートが必要です。

  1. (1)逮捕・書類送検を受ける前の解決が期待できる

    事件直後のごく早い段階で弁護士に相談すれば、警察に発覚する前に被害者との示談交渉を進められる場合もあります。

    すなわち、警察が認知する前に示談をまとめることができれば、逮捕・書類送検も受けずに解決することが可能であり、事件が表沙汰になることはありません。したがって、関係者に会社の同僚・上司などがいない限り、事件が会社に知られてしまう事態を避けられる可能性が高まります。

  2. (2)不起訴による解決が期待できる

    事件が警察に認知されてしまった場合は、逮捕されなくても供述調書などの捜査関係書類が検察官へと引き継がれて書類送検されるのが原則です。書類送検されたあとは検察官が捜査を指揮しながら起訴・不起訴を決めますが、不起訴になれば刑事裁判は開かれないので、解雇を含めた懲戒処分を避けられる可能性があります。

    不起訴を得るには、容疑をかけられてしまっているサイドからの積極的な働きかけが欠かせません。弁護士に依頼すれば、被害者との示談交渉に加えて、加害者の深い反省や家族が監督強化を誓約している状況などを検察官に説明し、起訴猶予による不起訴が期待できます

5、まとめ

「書類送検」は事件捜査が警察から検察官へと引き継がれる手続きのひとつであり、刑罰としての性質はありません。警察から書類送検された段階では、まだ「犯人だ」と断定されたわけではないので、解雇を含めた懲戒処分が下される理由にはならないと考えるのが一般的です。
しかし、社会的信用などを気にした会社から懲戒解雇を含めた処分が言い渡されるおそれがないとは言い切れません。

刑事事件を起こして書類送検されたことで会社から解雇されるのではないかと不安を感じている場合は、弁護士にサポートを求めましょう。刑事事件の解決や、書類送検による不利益を避けるための対策は、ベリーベスト法律事務所 大宮オフィスにおまかせください。知見が豊富な弁護士が、スタッフと一丸になって事件解決をバックアップします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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