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障害者への合理的配慮とは? 関係する法律と職場での注意点を解説

2020年11月18日
  • 労働問題
  • 合理的配慮
  • 法律
障害者への合理的配慮とは? 関係する法律と職場での注意点を解説

すべての事業者は、障害者雇用の際に「合理的配慮」をしなければいけません。しかし、そもそも合理的配慮の内容がわからなかったり対策に費用がかかったりするため、取り組んでいない企業も少なくありません。

そこでさいたま市は合理的配慮の提供を促進するために、事業者が購入した物品や施設整備の費用の一部を補助しています。これまで障害者を雇用したことがなくても、今後人材募集をかけた際に応募がある可能性もあるため、内容を理解し準備しておくことが大事です。

そこで今回は合理的配慮について、事業者が知っておくべき点を大宮オフィスの弁護士が具体的に解説します。

1、雇用の際の障害者への「合理的配慮」とは?

事業者には法律でさまざまな義務が課されています。そのなかでもわかりにくいのが「合理的配慮の提供」です。まずは合理的配慮の内容を確認していきましょう。

  1. (1)合理的配慮の定義

    「合理的配慮」とは、障害のある方が社会生活のうえで受けるさまざまな障壁を取り除いたり、調整したりすることです。

    たとえば車いすの電車利用者のために、簡易スロープを使って乗車をサポートするといった対応です。理由なく合理的配慮を行わないことは、障害者の権利や利益を侵害するため「差別」に当たるとされています。

    合理的配慮は「障害者差別解消法」と「障害者雇用促進法」により、提供が義務付けられています。なおこれらの法律が対象としているのは行政機関や民間事業者であり、一般の個人には提供義務はありません。

  2. (2)合理的配慮の対象者

    合理的配慮の対象となる障害者は次の方です。

    • 身体障害者
    • 知的障害者
    • 精神障害者(発達障害者を含む)
    • そのほか心身の機能障害者


    いずれについても、障害者手帳の保有の有無は関係ありません。ただし障害により長期間にわたり職業生活に相当の制限を受けまたは職業生活を営むことが著しく困難な場合に限られるため、一時的なケガや病気は対象外です。

  3. (3)合理的配慮が定められた背景

    合理的配慮が法律で定められたのは、「障害者の権利に関する条約(障害者権利条約)」という国際条約批准のためです。

    障害者権利条約では、合理的配慮を次のように定義しています。
    「障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」

    日本は平成19年にこの条約に署名し、国内法の整備に入りました。平成25年には「障害者雇用促進法」を改正、また新たに「障害者差別解消法」を制定し、合理的配慮を法律に明記しました。

    この対応を経て、翌26年の条約批准に至ったのです。

2、障害者への合理的配慮に関係する法律は?

障害者への合理的配慮については、「障害者差別解消法」と「障害者雇用促進法」という2つの法律で規定されています。それぞれの内容は次のように違いがあります。

  1. (1)障害者差別解消法とは

    「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」は、障害による差別をなくし、障害の有無にかかわらず平等に生活できる社会をつくることを目的とした法律です。

    この法律のなかでも重要な点は、次の2つです。

    • 不当な差別的扱いの禁止
    • 合理的配慮の不提供の禁止

    不当な差別的扱いとは、障害を理由をとして差別することです。たとえば障害者にマンションを貸さない、飲食店への入店を拒否するといった行為です。

    差別的扱いは行政機関や民間事業者などすべてにおいて禁止されますが、合理的配慮については、民間事業者は「努力義務」にとどまります。

  2. (2)障害者雇用促進法とは

    「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」は、障害者の職業生活における自立を促し、職業の安定を図ることを目的とした法律です。障害者差別解消法と異なり、雇用に特化しています。

    昭和35年に制定された「身体障害者雇用促進法」が改称、改正されて現在の法律になりました。

    諸規定のなかでも、特に次の3点が重要です。

    • 企業規模に応じた障害者の雇用義務(法定雇用率)
    • 職業訓練などの職業リハビリテーションの実施
    • 不当な差別的扱いの禁止・合理的配慮提供の義務

    この法律では、企業にその規模に応じて一定の割合での障害者雇用を義務付けています。

    障害者差別解消法と少し異なり、「不当な差別」は障害者であることを理由に採用を断るといった対応をさします。また不当な差別も合理的配慮の提供も、行政機関だけでなく民間事業者にとっても法的義務です。

3、障害者差別を解消するための事業者の義務とは?

不当な差別禁止や合理的配慮の提供が事業者の義務と言われても、具体的に何をすればよいのかわからない方も多いでしょう。そこでここでは合理的配慮の例や違反した場合の罰則について解説します。

  1. (1)雇用における合理的配慮の具体例

    雇用の分野における合理的配慮には、たとえば以下のようなものがあります。

    【採用時】
    ・聴覚障害のある方に、筆談で面接を行う
    ・視覚障害のある方に、筆記試験の問題を読み上げる
    ・知的障害のある方に、障害者サービス機関のスタッフの面接同席を許可する

    【雇用後】
    ・車いすの方のために、机の高さを調節する
    ・視覚障害のある方に、音声読み上げソフトを導入する
    ・知的障害のある方に、写真や図を使って業務指示をする
    ・精神障害のある方に、通勤ラッシュを避けた時差出勤を認める

    障害者が必要とする配慮は障害の程度や個人の希望によって異なるため、対応を行う際は個別の検討が必要です。

    なお内閣府のホームページでは、障害の種別や生活の場面ごとに合理的配慮の事例を公表しているので参考にしてください。

  2. (2)「障害者からの申し出を受けて」「過重な負担にならない範囲」で

    雇用の際の合理的配慮の提供は、原則として障害者から配慮の申し出があった場合にのみ行います。

    障害者が自ら伝えることが困難な場合には、配慮が必要なことだけを伝えたり、障害者サポート機関スタッフの支援を受けたりすることも認められています。

    事業者は申し出を受けて、障害者と話し合いをして具体的な対処について検討します。また、合理的配慮は「事業者の過重な負担にならない範囲」で行います。

    過重な負担かどうかの判断要素には、次のようなものがあります。

    • 事業活動への影響の程度
    • 実現困難度
    • 費用負担の程度
    • 企業規模
    • 企業の財務状況
    • 公的支援の有無


    たとえば賃貸オフィスのため設備改修を大家に許可してもらえない、事業規模が小さく、障害のある方のために機材を買い換えるにはお金がかかりすぎる、といったケースです。そのような場合は事情を本人に伝え、負担の少ない範囲(「過重な負担にならない範囲」)で対応することが認められています。

  3. (3)違反した場合の罰則

    違反した場合の罰則は、それぞれ次のようになっています。

    【障害者差別解消法】
    不当な差別が繰り返し行われたといった場合に、国は事業者に報告を求め、助言や指導、勧告ができると規定しています(障害者差別解消法第12条)。

    事業者が報告をしなかったり、虚偽の報告をしたりした場合には、20万円以下の過料に処されます(第26条)。

    合理的配慮の不提供には、罰則はありません。それでも、不提供によって障害者が不利益を受けた場合に、損害賠償を求められる可能性があります。

    【障害者雇用促進法】
    事業者が障害者の雇用状況の報告を怠ったり虚偽の報告をしたりした場合には、30万円以下の罰金に処されることがあると規定しています(障害者雇用促進法第86条)。

    また企業が法定雇用率を達成できなかった場合には納付金を支払う必要があるほか、国から改善の勧告を受けたにもかかわらず対応しなかった場合は、企業名を公表されることがあります(第47条)。

    差別禁止や合理的配慮提供については、国は必要に応じて事業者に助言や指導、勧告を行うことができますが、従わない場合の罰則はありません。

4、障害者雇用に不安があったら弁護士に相談

ここまでご説明したように、障害のある方を雇用する際には不当な差別をしない、合理的配慮をする、法定雇用率を守る、といった点に気をつけなければいけません。とはいえ、障害の程度は個人によって違うため、実際に応募があった際には採用試験までに相手に合わせて準備をしておかなければいけません。

また採用後も障害のある方と話し合いながら、障害の有無にかかわらず働きやすいような職場づくりをしていく必要があります。

障害がある方を雇用したことがないという企業は、わからないことも多いと思いますので、まずは弁護士に相談しましょう。弁護士は法律的な観点から事業者がどのような環境整備をすべきか、どのような対応が差別に当たるかなどをアドバイスします。またトラブルになってしまった際にも、解決に向けた支援を行います。

5、まとめ

日本社会における障害者雇用は、今後ますます進んでいくと予想されます。障害のある方の雇用は、従業員の意識向上や企業の魅力アップにもつながります。事業規模にかかわらず対策をしっかりと行っておきましょう。

ベリーベスト法律事務所 大宮オフィスでは、障害者雇用でお悩みの企業のサポートを行っております。弁護士がそれぞれの事情を考慮して適切なアドバイスを行いますので、どうぞお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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