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「悪意の遺棄」で慰謝料は請求できる? 弁護士がわかりやすく解説!

2020年05月07日
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「悪意の遺棄」で慰謝料は請求できる? 弁護士がわかりやすく解説!

法律用語で「悪意の遺棄」と呼ばれる行為があります。悪意の遺棄は、民法が定める「夫婦の同居・協力・扶助義務」に違反することから、「離婚原因」のひとつにもなっています。そして大宮オフィス周辺を管轄するさいたま家庭裁判所でも、“夫婦の同居・協力・扶助義務”に関するトラブルが発生しているようです。

裁判所が発表している「平成29年度司法統計 家事審判・調停事件の事件別新受件数 家庭裁判所別」によると、さいたま家庭裁判所における調停事件のうち「夫婦の同居・協力扶助」は8件、「婚姻費用の分担」は1244件、「扶養に関する処分」は25件でした。

では「悪意の遺棄」をされた場合に、慰謝料を請求できるのでしょうか?
大宮オフィスの弁護士が解説します。

1、そもそも「悪意の遺棄」とは?

  1. (1)正当な理由なく、同居・協力・扶助義務を履行しないこと

    「悪意の遺棄」という名前がわかりにくいため、具体的な行為や状況が想像できない方も多いかもしれません。悪意の遺棄とは、婚姻倫理からみて非難される態様で、夫婦の義務である同居、協力、扶助義務に違反する行為をすることをいいます。

    具体的にいえば、「夫が理由もなく、妻子を放置して、自宅をでて別居を続ける」「収入があるのに生活費を渡さない」などの行為が悪意の遺棄にあたります。

  2. (2)「悪意の遺棄」は民法第770条「離婚原因」のひとつ

    「悪意の遺棄」は、民法第770条に定められている「離婚原因」のひとつです。離婚は夫婦間の合意があれば原則自由にできます。しかし、相手が離婚に同意しない場合には、法律で定められた離婚原因に該当する事実がなければ、離婚裁判を起こしたとしても、離婚は認められません。

    なお、離婚原因は以下の5つが民法に定められています。

    • 配偶者に不貞な行為があったとき(770条1項1号)
    • 配偶者から悪意で遺棄されたとき(同条同項2号)
    • 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき(同条同項3号)
    • 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき(同条同項4号)
    • その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき(同条同項5号)


    もし配偶者が離婚を拒否していたとしても、あなたが「悪意の遺棄」があったことを証明すれば離婚裁判を起こして離婚が認められる可能性があります。そして、「悪意の遺棄」によって受けた精神的苦痛に対する慰謝料も請求できるかもしれません。

  3. (3)民法第752条「同居義務」「協力義務」「扶助義務」とは

    「悪意の遺棄」が、なぜ「離婚原因」になっているのかについて解説します。

    民法では、第752条において「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と、夫婦の義務について定めています。夫婦には「同居義務」「協力義務」「扶助義務」という3つの義務があるのです。

    「同居義務」とは、「夫婦はできるかぎり同居するべきである」という意味です。生活共同体という側面が夫婦にはあるため、同居をしていなければ共同生活を営んでいるとは言い難いということです。しかし、すでに婚姻関係が破綻していて離婚準備のために別居する場合などは、正当な理由があるとして違反となりません。
    なお同居義務に違反したといっても、強制執行によって同居を実現できるかというと、これはできません。別居したいと思っている相手を無理やり同居させるのは、あまりに個人の自由を無視しているからです。したがって、同居義務に違反したとしても、離婚原因にはなり得ますが、同居を強制させることは困難だということになります。

    次の「協力義務」は、「夫婦は生活を送る上で協力していくべき」ということです。夫が仕事で忙しいときは、妻が家事・育児を行うことになるでしょう。夫が稼いだお金は、生活費として家に入れることになります。共働きの夫婦では、家事・育児はもちろん、経済的な負担も平等に分担することになるでしょう。たとえ妻が専業主婦であったとしても、妊娠・出産・病気のときは、夫が収入を得るとともに家事も行うことになるのではないでしょうか。夫が病気であるならば、妻が収入を得るとともに家事を行うことになるでしょう。いずれであっても、夫婦関係においては、お互いを支えあうことが大切ですから、協力して生活をするのが望ましいといえるでしょう。このことを、規定したものといえます。

    最後の「扶助義務」は、「配偶者に自己と同一程度の生活を保障する義務」という意味です。この「扶助義務」は、たとえ離婚を前提に別居していたとしても離婚成立時まで続きます。たとえば、離婚に向けて別居している妻は、夫に対して離婚が成立するまでの間生活費を請求できる(婚姻費用分担請求)という請求の根拠となる義務です。婚姻費用については、のちほど詳しく説明します。

    「悪意の遺棄」にもさまざまなパターンがありますが、前述の3つの義務のひとつまたは複数に違反している場合には悪意の遺棄が成立する可能性があるといえるでしょう。
    以下に同居義務に違反するケースと、協力・扶助義務に反するケースに分けて具体的な例を挙げてみましょう。

2、「悪意の遺棄」に該当するケース

  1. (1)同居義務に違反するケース

    ア 正当な理由なく同居を拒否する
    正当な理由もないのに同居を拒否すると、「同居義務」違反として「悪意の遺棄」に該当する可能性があります。

    正当な理由とは、たとえば単身赴任、出産のための里帰りなどが該当します。なお、夫婦関係がすでに破綻しており離婚前提に別居している場合や、相手方からの暴力などから身を隠しているケースも、正当な理由として認められる可能性が高いでしょう。

    イ 不倫相手のところに入り浸る
    不倫相手の家に入り浸り、家族の家に帰ってこないケースもあります。この場合、同居義務違反に該当し、生活費を送金しているか否かに関係なく、「悪意の遺棄」とみなされる可能性があります。

    仮に、夫婦の一方が不倫相手と肉体関係を持っていた場合には、別の離婚原因である「不貞行為」にも該当するため、LINEの履歴やメール、あるいはラブホテルに二人で入っていく写真などの証拠を収集することで、不貞相手や配偶者に対して慰謝料を請求できるかもしれません。

    ウ 配偶者を家から追い出す
    上記(2)(3)とは、逆のパターンです。配偶者から精神的・肉体的に虐待され家から追い出された場合も、「悪意の遺棄」に該当する可能性があります。

    配偶者からの精神的・肉体的暴力があったことを証明できれば、DV(ドメスティック・バイオレンス)による慰謝料も請求できる可能性があります。証拠として考えられるものは、暴行を受けた箇所の写真や、診断書、暴行をはたらいた配偶者とのLINEやメールの履歴などが考えられます。
    なお、DVは、「離婚原因」の5つ目「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するといえるでしょう。

  2. (2)協力・扶助義務に反するケース

    ア 生活費を渡してくれない
    「悪意の遺棄」の中でもとりわけ多いのが、このケースです。「平成30年司法統計 申婚姻関係事件数―申立ての動機別申立人別― 全家庭裁判所」によると、女性側が申立人の離婚理由で2番目に多かったのが「生活費を渡さない」(13725人)でした。

    稼いだお金を生活費として全く家に入れない、配偶者や子が困窮しているにもかかわらず愛人や、自分の趣味などの遊興費につぎ込んでしまう……。このような行為は、「扶助義務」違反として「悪意の遺棄」に該当する可能性があります。

    イ 健康なのに働こうとしない / 専業主婦なのに家事・育児を放棄する
    働く意志があって健康でも、失業してしまうことはあります。それでも一生懸命職探しをする、家にいる間は家事・育児に積極的に取り組む姿勢を見せれば、「悪意の遺棄」には該当するとはいえないでしょう。

    健康なのにいつまでたっても働こうとしない、忙しそうな配偶者を手伝わずに昼から飲酒・ゲームばかりをしている……という場合は「協力義務」「扶助義務」違反に該当する可能性があります。家事・育児を放棄した専業主婦も、これに該当する可能性があります。

    ただし、心の病気で働けない場合は「悪意の遺棄」といえないケースもあるでしょう。身体は問題なさそうなのに、配偶者に元気がないようであれば、かかりつけのお医者さまなどに相談し、精神疾患の治療カリキュラムのある病院などを紹介していただき、受診してもらいましょう。

3、「悪意の遺棄」に該当しないケース

一見「同居義務」「協力義務」「扶助義務」に反するように見えても、「悪意の遺棄」に該当しない可能性のあるケースもあります。見極めるポイントは、「夫婦間の同意の有無」「正当な理由の有無」です。

具体的には以下のような状況が考えられます。

  • 単身赴任によるやむを得ない別居
  • 子どもの進学のための別居
  • 配偶者のモラハラ・DVから逃げるための別居
  • 夫婦関係がすでに破綻しており離婚を前提とした別居
  • 病気の治療・療養、出産や育児のための別居

4、慰謝料請求をするには証拠が必要

  1. (1)「悪意の遺棄」の証拠は何を集めればいい?

    「悪意の遺棄」を理由に慰謝料を請求したいなら、その事実を証明する有力な証拠を収集することが必要となります。離婚をするには、離婚調停を申立てたり、あるいは訴えを提起するケースもあります。調停でも証拠は有用ですし、その後に裁判上の離婚を検討しているのであれば、証拠の収集は必要です。
    裁判上の離婚では、提出した証拠をもとに裁判官が判断をすることになります。裁判官の目から見て、「確かに『悪意の遺棄』があった」と納得させる必要があるのです。

    「悪意の遺棄」の証拠の例としては、以下のようなものが考えられます。

    • 生活費の振込みが途絶えた通帳
    • 配偶者から届いたLINE・メールの履歴など(「当分帰らないから」「金は渡さない」など)
    • 配偶者が引っ越ししたことを証明する資料(住民票、賃貸借契約書など)
    • 愛人宅に入り浸っていることを証明する興信所の報告書(写真を含む)
    • 「悪意の遺棄」の実態がわかる詳細な日記・メモ(日付が連続していた方がよい)


    ただし、「悪意の遺棄」は証明するのが難しいケースも多いといわれています。その場合は、不貞行為やDVなど、別の離婚事由の証拠も併せて収集しておくとよいでしょう。

  2. (2)慰謝料請求の基本的な流れ

    証拠集めが終わったら、いよいよ慰謝料請求です。まずは配偶者に直接交渉し、協議離婚の中で慰謝料請求を求めます。もし相手が離婚と慰謝料支払いに応じたら、その内容を「離婚協議書」にまとめ、「公正証書」を作成しましょう。強制執行認諾文言をつけた公正証書を作成しておけば、相手が任意に支払わなかったとしても速やかに強制執行手続きをとることが可能になります。

    もし、話し合いが成立しない場合には、まずは離婚調停を起こすことになります。日本では「まず離婚裁判を起こす前に必ず離婚調停をしなければならない」という「調停前置主義」が取られているからです。調停で話し合いがまとまらないときは、離婚を求めて裁判を起こすことになります。

    この一連の手続きは、弁護士に依頼することを強くおすすめします。すべて自力で対応しようとすると、法的に適切な条件で離婚をすることができないことがあるためです。弁護士は離婚問題における交渉や裁判手続きに慣れています。新たな生活のためにも、ぜひ頼ってください。

    悪意の遺棄に対する慰謝料の金額は、事案によって金額に大きな幅があります。
    悪意の遺棄によって、どれほど大きな心の傷という損害を受けたのかについては、当事者の言葉だけでなく、どのような仕打ちを受けたのか、どういう経緯で遺棄が始まったのか、遺棄をした理由は何か、その結果どのような状態になったのか、などの状況も損害を決定する要素になり得ます。

5、慰謝料と併せて押さえておくべき「婚姻費用分担請求」とは

慰謝料と併せて押さえておくべき“お金”としては、「婚姻費用(婚姻生活にかかる生活費)」があります。

前述の通り夫婦には「扶助義務」があります。そのため、配偶者が生活費をくれなかったり別居していたりする場合には、生活費を請求できるのです。たとえ、離婚を前提に別居している場合であっても、離婚が成立するまで、その義務は失われません。

婚姻費用を請求する手続きを「婚姻費用分担請求」と呼びますが、まだ離婚の段階に至っていなければ、婚姻費用を請求できます。なお、請求できる婚姻費用は「今現在から将来にかけての分」のみに限られます。過去の未払い分の請求はできないため、離婚の際の「財産分与」で考慮されることがあります。

詳しい手続きや金額の目安については、弁護士に相談してみましょう。

6、弁護士に依頼するメリット

「悪意の遺棄」については、証拠集めや証明が難しいケースが多々あります。離婚事件を中心に扱っている弁護士であれば、過去の実務経験からどのような証拠が有利なのか熟知しています。思うように証拠が集まらないけれどどうしても慰謝料請求したいときには、弁護士に相談してください。適切なアドバイスを行います。

また、「悪意の遺棄」によって心の傷を負っている中で直接交渉するのは、非常に負担が大きいものです。精神的に不安定な状態で当事者が交渉すると判断を誤るおそれもあり、非常にリスクが高いといえます。

さらに、相手側が弁護士を依頼している場合、こちらも弁護士に相談しなければ、不利な条件を提示されていることに気づかず、合意や調停成立に至ってしまうことがあるかもしれません。弁護士に依頼すれば、交渉から調停・裁判まで自力で対応するよりも適切な条件で離婚をすることができるでしょう。

7、まとめ

「悪意の遺棄」は「離婚原因」のひとつですが、証明することが難しいケースは少なくありません。その場合は、別の「離婚原因」についても併せて証拠集めするようにしましょう。

「悪意の遺棄」においては、慰謝料だけでなく婚姻費用も請求できる可能性があります。
また、離婚するにあたり、財産分与など、別の事項についても検討する必要があることも多いでしょう。
さらに、「婚姻費用分担請求」は早めの行動が肝心です。これらの手続きを同時並行に行うのは、傷ついている当事者だけで行うことは大変ですので、ぜひ弁護士に相談してみてください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
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