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供託通知書が届いた場合にやるべきこととは? 弁護士に相談すべき理由

2021年07月27日
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供託通知書が届いた場合にやるべきこととは? 弁護士に相談すべき理由

供託所から「供託通知書」が届いた場合、供託金を受け取るかどうか、速やかに検討を開始しなければなりません。内容を確認せずに放置していると、供託金を受領できなくなってしまう可能性もあるので、必要に応じて弁護士に相談しながら、早めに内容を確認しましょう。

この記事では、供託通知書が届いた場合の対処法を中心に、ベリーベスト法律事務所 大宮オフィスの弁護士が解説します。

1、弁済供託とは?

弁済供託とは、金銭その他の財産の給付を目的とする債務を負担している債務者が、その債務を免れるために行う供託です。

まずはこの「弁済供託」について、民法で定められた制度の概要を解説します。

  1. (1)弁済供託ができる場合

    民法第494条第1項および第2項により、弁済供託ができる場合として、以下の3つが定められています。

    1. ① 債務者が弁済の提供をしたが、債権者がその受領を拒んだとき
    2. ② 債権者が弁済を受領することができないとき
    3. ③ 債務者の過失なく、債権者を確知することができないとき


    つまり、債務者に弁済の意思があるものの、何らかの理由で債権者が弁済を受領できなかったり、受領する意思がなかったりした場合にも、その債務を免れることができるよう、弁済供託が認められているのです。

  2. (2)弁済供託の方法

    弁済供託は、債務の履行地の供託所に対して供託書を提出した後、弁済の目的物(金銭など)を供託することによって行います

    債務の履行地は以下のとおり定まります。

    1. ① 契約上、債務の履行地に関する定めがある場合
      契約の定めに従う
    2. ② 契約上、債務の履行地に関する定めがない場合
      1. (ⅰ) 特定物の引渡し債務の場合
        債権発生時にその物が存在した場所
      2. (ⅱ) それ以外の場合
        債権者の現在の住所


    各地域を管轄する供託所の所在地などについては、以下の法務局ホームページでご確認ください。

    (参考:「登記管轄一覧表・供託所一覧表」(法務局)

  3. (3)弁済供託の効果

    弁済供託が行われた場合、その時点で対象となる債権(債務)は消滅します。

    債務者が弁済の提供をしたにもかかわらず、債権者が受領を拒んだりした場合、債務者は債務履行責任を免れることはできますが、債務そのものが消滅するわけではありません(民法第492条)。
    そこで、債務者が供託所に債務の目的物を供託することで、弁済したのと同様に債務を消滅させ、債務者が負担している債務を免れさせる制度が設けられたのです。

2、供託通知書とは? 内容をすぐに確認すべき理由

債権者が債務者から「供託通知書」を受領した場合、すぐに内容を確認して、供託金を受領するかどうか検討することをおすすめします。

以下では供託通知書の概要および記載事項と、その内容をすぐに確認すべき理由について解説します。

  1. (1)供託通知書とは

    「供託通知書」とは、債務者により弁済供託が行われたことおよびその内容を、債権者に通知することを目的とした書面です。

    債務者が弁済供託を行った場合、債権者に対して遅滞なく、供託を行った旨の通知をしなければなりません(民法第495条第3項)。この通知は、債務者自身で発送することも可能ですが、供託官に対して供託通知書の発送を請求することも認められています(供託規則第16条第1項第1文)。

    債務者(供託者)から請求を受けた供託官は、供託規則で定められる書式に準じて供託通知書を調整し、債権者に対して発送します(同条第4項)。

  2. (2)供託通知書の書式

    供託通知書の書式は、e-Gov法令検索という総務省行政管理局が提供するサイトで公開されています

    それぞれ対応するリンク先をご参照ください。

    供託規則(昭和34年法務省令第2号)施行日令和2年4月1日

    1. ① 地代・家賃弁済金銭供託の供託通知書
      (参考:第十九号書式(PDF:53KB)
    2. ② その他の金銭供託の供託通知書
      (参考:第二十号書式(PDF:39KB)
    3. ③ その他の有価証券供託の供託通知書
      (参考:第二十一号書式(PDF:40KB)
  3. (3)供託金は取り戻されてしまう可能性もある

    供託通知書を受領した場合に、その内容を確認すべき理由は、供託後であっても、債務者によって当該供託物が取り戻されてしまう可能性があるからです。

    債務者は、債権者が供託を受諾せず、または供託を有効と宣告した判決が確定しない間は、供託物を取り戻すことができます(民法第496条第1項)。
    供託物を取り戻されてしまうと、それ以降債権者は、供託金を自身に支払うよう供託所に請求することはできなくなってしまいます。

    実際に供託金を受領するかどうかはケース・バイ・ケースの判断となりますが、供託金を受領するという選択肢を失わないためにも、まずは早めに供託通知書の内容を確認することをおすすめします

3、ケース別|供託通知書が届いた場合の対処法と注意点

弁済供託が行われて供託通知書が届くケースでよくあるものとして、①刑事事件の加害者が弁済供託を行う場合、②建物の賃借人が弁済供託を行う場合が挙げられます。

以下では、それぞれの場合に債権者がとるべき対処法や注意点について解説します。

  1. (1)刑事事件の加害者(被疑者)が弁済供託をした場合

    刑事事件の加害者(被疑者)は、被害者に対して支払うべき示談金を弁済供託することがあります。

    たとえば、被害者から加害者(被疑者)との示談を拒否されてしまったケースが代表的です。加害者(被疑者)としては、たとえ被害者から示談を拒否されたとしても、示談金を支払わないままにしておくと、損害賠償債務が全額残ったままの状態になってしまいます。さらに、示談金を供託したという事実は、刑事手続上、加害者(被疑者)に有利な情状として働く可能性があります。

    そこで加害者(被疑者)は、示談金を支払うため、弁済供託を行うことがあるのです。

    弁済供託の目的の主眼が「刑事処分を軽くする」ことにある場合、加害者(被疑者)が不起訴となったり、判決が確定したりした段階で、加害者(被疑者)が供託金を取り戻す旨の主張をする可能性はあります。

    したがって、被害者としては、一定の被害弁償を確保する観点から、刑事手続の進行状況等を踏まえて、適切な時期に供託金を払い渡してもらう必要があると考えられます。

  2. (2)建物の賃借人が弁済供託をした場合

    建物の賃貸人が、賃借人による賃料の滞納を理由に賃貸借契約を解除したことに対して、賃借人が賃貸借契約解除の無効を主張する中で、弁済供託によって賃借人が賃料の滞納状態を解消しようとすることがあります。

    この場合、賃貸人としては、賃貸借契約の解除を撤回するならば供託金を受領し、引き続き解除を主張するならば受領しないという対応になるでしょう。

    賃貸借契約を継続するかどうかの判断は、再び賃料の不払いが発生するリスクがないか、また後継テナントを早期に見つけられるかどうかなどによって左右されます。

    ご不安な場合は、弁護士や不動産業者などに相談しながら、対応を決定するとよいでしょう。

4、供託金をすぐに受領できない場合の対処法

債権者が供託金を受領する場合、供託所に対して供託金払渡請求書などを提出することになります(民法第498条第1項)。

しかし、供託金を受領する意思がない、または何らかの事情により供託金をすぐに受領できないという場合もあるかと思います。その場合には、以下のとおり対応してください。

  1. (1)受領する意思がなければ、そのまま保留にしておく

    債権者が供託金を受領する意思がなければ、供託通知書に対して反応せずに、そのまま保留にしておくこともひとつの選択肢です。

    なお、考えが変わって供託金を受け取りたい場合、債務者により供託金が取り戻されていないうちは、供託所に対して供託金の還付を請求できます

  2. (2)受領する意思があれば、供託所に「供託受諾書」を提出する

    一方、供託金を受領する意思がある場合には、債務者による取り戻しを防ぐため、供託所に対して供託受諾の意思表示を行いましょう

    供託受諾の意思表示を行うにあたっては、供託所に対して「供託受諾書」を提出することになります。「供託受諾書」に定まった様式はありませんが、該当する供託所に確認すれば、必要な記載内容などについて案内してもらえるでしょう。

5、まとめ

供託所から供託通知書を受け取った場合、その内容を速やかに確認し、できるだけ早い段階で供託金を受領するかどうかの判断を行うことをおすすめします。供託通知書の内容を確認しないまま長期間放っておくと、債務者によって供託金が取り戻され、債権の弁済を受領する機会を失ってしまうことになりかねないので注意が必要です。

一方、受領することで債権者が不利となってしまう場合もあることから、難しい判断が要求されます。債権者としては、短期間のうちに十分な法的検討を行ったうえで判断しなければならず、対応の難易度が高い問題といえるでしょう。

もし供託所から供託通知書が送られてきて、その対処法にお困りの場合には、お早めにベリーベスト法律事務所 大宮オフィスへご相談ください。債権債務の状況や、債権者の方の意思などを踏まえて、適切な対処法をアドバイスします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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