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一気飲みをさせた相手が死亡したら犯罪? 問われる罪と損害賠償請求

2019年03月12日
  • その他
  • 一気飲み
  • 死亡
一気飲みをさせた相手が死亡したら犯罪? 問われる罪と損害賠償請求

居酒屋や飲食店などで、大学生や社会人が「一気飲み」をしている光景を見たことがあるという方はいらっしゃるのではないでしょうか。以前より、一気飲みによる死亡事件が相次いで起きていることから、アルコールの大量摂取の危険性が叫ばれているところです。

過去に、埼玉県のとある大学生が、所属サークルの飲み会で焼酎およそ1リットルを一気飲みして、死亡した事件がありました。この事件では、遺族がのちに、当時の飲み会参加者に対して、1億円を超える巨額の損害賠償請求訴訟を提起しています。

飲み会などで相手にお酒を無理に飲ませた結果、その相手が怪我をしたり死亡したりしてしまった場合、どのような法的責任を負うのでしょうか。
本コラムでは、一気飲みをさせた加害者側が問われる法的責任について、弁護士が解説いたします。

1、一気飲みを強要した場合に加害者側が問われる罪は?

一気飲みを強要した場合、問われる可能性のある罪について解説いたします。

  1. (1)強要罪(刑法223条)

    強要罪とは、生命、身体、自由、名誉もしくは財産に対して害を加える旨を告知して脅迫したり、暴行を加えたりすることで、相手に義務のないことを行わせたり、権利の行使を妨害したりした場合に成立する犯罪です。

    たとえば、先輩が後輩に対して、心理的な圧力をかけ、無理やりお酒を飲ませたとき、強要罪が成立し得ます。

    強要罪の法定刑は、3年以下の懲役です。

  2. (2)傷害罪(刑法204条)

    傷害罪とは、相手の身体に「傷害」を負わせた場合に成立する犯罪です。

    傷害罪という言葉を聞くと、殴ったり蹴ったり……といった暴力行為をイメージする方が多いと思います。しかしそれだけではありません。たとえば、無理やり大量のアルコールを飲ませて、相手の健康状態を悪化させた場合にも、傷害罪が成立する可能性は十分にあります。

    傷害罪の法定刑は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

  3. (3)傷害致死罪(刑法205条)・過失致死罪(刑法210条)

    傷害致死罪とは、相手の身体に「傷害」を負わせた結果、その相手が死亡してしまった場合に成立する犯罪です。
    そのため、酔いつぶす目的で相手に一気飲みをさせた結果、その相手が死亡してしまったとき、傷害致死罪が成立し得ます。

    一方、過失致死罪とは、不注意や怠慢等による「過失」が原因で、相手を死に至らしめてしまったときに成立します。

    傷害致死罪も過失致死罪も、加害者側に殺意がなかった場合に適用されるという共通点があります(殺意をもって大量の酒を飲ませた結果、相手が死亡した場合は殺人罪が成立します)。

    傷害致死罪の法定刑は3年以上の懲役、過失致死罪の法定刑は50万円以下の罰金です。ただし、過失の程度が「重大」と判断されると、より量刑が重い「重過失致死罪」(刑法211条後段)が適用されます。重過失致死罪の法定刑は、5年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金です。

  4. (4)現場助勢罪(刑法206条)

    現場助勢罪とは、傷害罪・傷害致死罪に該当する行為が行われていた状況で、その行為を助長する言動や行動をした場合に成立する犯罪です。

    そのため、直接飲酒を強要したわけではなく、コールなどをして飲酒をはやし立てた結果、被害者が酔いつぶれた場合にも、犯罪は成立し得るのです。

    現場助勢罪の法定刑は、1年以下の懲役または10万円以下の罰金・科料です。

  5. (5)保護責任者遺棄罪(刑法218条)

    保護責任者遺棄罪とは、保護責任者が保護を必要とする者を置き去りにしたり、生存に必要な保護を怠ったりした場合に成立する犯罪です。

    この犯罪は、子どもを監護する責任を放棄した親について成立することが少なくありません。しかしながら、たとえば、飲み会参加者が、一気飲みを強要されて具合を悪くした人をそのまま放置した場合にも、保護責任者遺棄罪が成立し得ます。

    保護責任者遺棄罪の法定刑は、3ヶ月以上5年以下の懲役です。

2、民事上、損害賠償責任や使用者責任が生じる可能性もある

  1. (1)不法行為責任により損害賠償や慰謝料を請求される可能性がある

    一気飲みを強要したことによって負う法的責任は、刑事責任だけではありません。民事責任を負う可能性もあります。
    たとえば、飲酒を強制したことによって相手に損害が発生した場合、不法行為責任が生じる可能性があります。不法行為責任が生じた場合、相手に発生した治療費や慰謝料等を賠償しなければなりません。

  2. (2)職場の飲み会で一気飲みを強要すれば使用者責任もあり得る

    一気飲みの強要は、職場の飲み会でされることも少なくありません。このような場合、企業が民事責任を負う可能性もあります。
    たとえば、上司から部下に対して一気飲みの強要がなされ、それが当事者間で不法行為に該当した場合、上司だけでなく企業も使用者責任(民法715条)を負い、部下に対して損害賠償責任を負うことが十分考えられるのです。

3、刑事責任・民事責任を問われそうな場合、弁護士に依頼するべき?

このように、相手に無理やり一気飲みをさせた場合、加害者側は刑事責任と民事責任を負う可能性があります。
そうなった場合に、加害者側が弁護士に依頼するメリットについてご説明します。

  1. (1)刑事責任における弁護士のメリット

    ●被害者との示談成立で、量刑が重くなることを防止する
    被害者との示談を成立させることによって、量刑が重くなることを防止することができます。たとえば、有罪になっても、執行猶予が付される可能性が高くなります。

  2. (2)民事責任における弁護士のメリット

    ●賠償額を減額できる可能性が高くなる
    損害賠償請求事件では、賠償額についての争いが原因で、話がまとまらなくなることが多いです。被害者に与えた被害が大きければ大きいほど、被害者が請求する賠償金額は大きくなります。しかし、その賠償金額を「払えない」と単に言うだけでは、なかなか示談は成立しません。
    弁護士であれば、過去の判例等を踏まえて、適切な賠償金額を提示して話し合いを行うことが可能です。

  3. (3)刑事責任・民事責任に共通する弁護士のメリット

    ●被害者との交渉が円滑に進む可能性がある
    一気飲みのような事件の場合、加害者側が被害者と示談交渉しようとしても、冷静な話し合いをすることができない可能性が高いです。そもそも、被害者から連絡自体を拒絶されてしまう可能性もあります。

    しかし、弁護士が間に入った場合、被害者が連絡を了承してくれる可能性が高くなります。また、当事者同士が顔を合わせるより、弁護士を通して交渉した方が、冷静な話し合いをすることができる可能性が高くなります。

4、まとめ

近年では、「アルコールハラスメント(アルハラ)」という言葉があるように、世の中全体として一気飲みを抑制する傾向が強まっています。しかし、飲酒にまつわるトラブルは今後も発生するでしょう。

一気飲みの強要は、相手を死亡させてしまう可能性がある大変危険な行為です。事故を起こしてしまったときは、傷害罪や強要罪などの刑事責任や、損害賠償責任(民事責任)を負う可能性があります。十分に反省された上で、いち早く弁護士に相談して相手方との交渉を検討されることをおすすめいたします。

ご自身もしくはご家族や知人が、「飲み会の席で相手に一気飲みを強要してしまった」、「強要した結果、相手に怪我を負わせてしまった」などでお困りの方は、ベリーベスト法律事務所 大宮オフィスまでご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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