不倫で慰謝料請求された! 不貞行為した側が弁護士相談するメリットは

2019年11月06日
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不倫で慰謝料請求された! 不貞行為した側が弁護士相談するメリットは

ベリーベスト法律事務所 大宮オフィスが所在するさいたま市が公表している統計データによると、さいたま市における平成29年の離婚件数は1971件でした。離婚の理由は各夫婦によってさまざまですが、その中でも「不倫」が理由になっていることは少なくありません。

既婚者とこっそりとお付き合いしていたつもりが、ある日突然、相手の配偶者から「不倫をしているのを知っている」「慰謝料を払え」と言われたら、誰でも冷静ではいられないでしょう。一般的には「不貞行為した側に非がある」と考えられていることから、交渉などを弁護士に依頼できるのだろうかと不安になるかもしれません。また弁護士に依頼した場合、どんなメリットがあるのだろうと思う方もいるのではないでしょうか。

この記事では、既婚者と不貞行為をして慰謝料請求された場合、不貞行為した側が弁護士を立てるメリットと解決までの流れについて、ベリーベスト法律事務所 大宮オフィスの弁護士が解説します。

1、なぜ不貞行為をすると慰謝料請求されるのか

肉体関係を持った相手が結婚していた場合、なぜ慰謝料を請求されるのでしょうか。自分が独身であれば関係ないのではないかと考える方もいるかもしれません。そこで、不貞した側が慰謝料請求をされる理由について解説します。

  1. (1)夫婦には貞操義務がある

    日本は一夫一妻制を採用しています。そのため、法律上明文で規定されているわけではありませんが、夫婦となった者は互いに貞操を守る義務があると解されています。「貞操」という言葉をわかりやすく言うと、夫や妻が配偶者以外と肉体関係を持ってはいけないということです。結婚している方が配偶者以外の方と肉体関係をもつことを「不貞行為」と言いますがこれは、貞操義務に反する行為のことを指すといえます。

    不貞行為は法律用語であり、一般的には「不倫」や「浮気」と言われることが多いでしょう。しかし、不倫という言葉で想定される行為は人によって異なるものです。たとえば、デートをする、頻繁に食事をしたり手をつないで歩いたりすることも不倫や浮気と呼ぶことがありますが、法的には性的関係を伴っていなければ不貞行為にはあたりません。

    他方、配偶者以外の方とラブホテルに泊まるなど、肉体関係を持ったことが明らかである場合は、「不貞行為」に該当するとされ、「貞操義務に反した」と考えられることになるでしょう。

  2. (2)不貞行為は民法における不法行為である

    不貞行為は、夫婦の貞操義務に反したことになるため、他方配偶者に対する「不法行為」にあたります。そして、不貞行為をした人も一方配偶者と共同して他方配偶者に対して不法行為をしたということになります。なぜなら不貞行為はひとりではできません。必ず相手がいて、不法行為を共同しています。
    つまり、他方配偶者からすると一方配偶者と不倫相手の二人が、共同で不法行為をしていると言えるのです。したがって、不貞行為をされた側は、不貞行為を共同した相手に対しても慰謝料を請求できるというわけです。

    不法行為をした者は、民法第709条、710条に規定されている条文を根拠に損害賠償責任が生じます。不倫をした者は、損害賠償請求、つまり慰謝料の請求に応じなければなりません。「不倫をすると慰謝料を請求される」という根拠はここにあります。

2、不貞行為した側は弁護士に依頼できない?

不貞相手の配偶者から慰謝料請求をされた場合、どうしたら良いのでしょうか。罪悪感から相手の言いなりになってしまうことも考えられますが、それは得策ではありません。

自分で解決することが難しい場合は、弁護士へ依頼することをおすすめします。不貞行為した側が弁護士へ依頼できるのか……と、不安になるかもしれませんが、弁護士に依頼するかどうかは、個人が自由に決めることができます。

不貞行為をされた側は感情的になっていることが多く、トラブルに発展するケースもあります。また、不貞行為そのものが、家族や友人にも相談しにくい内容です。多額な慰謝料を請求されても、自分に非があるからと誰にも言えず、精神的に追い詰められてしまう方も少なくありません。場合によっては、たとえ不倫していたことが事実であっても、支払う必要がないケースも考えられます。

不当に高い慰謝料を支払わされる事態を回避するためにも、相手から何らかの打診があった時点で、弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

3、不貞行為した側の弁護士は何をしてくれる?

弁護士は、交渉をスムーズに進めるだけではなく、早期に問題を解決できるように以下のようなことを行います。

  1. (1)慰謝料の交渉

    弁護士がこれまでの経緯を確認したうえで、過去の事例や判例から適切な慰謝料額を交渉することができます。一般的な相場と比較して高額な金額を請求されている場合は、減額交渉も可能です。

    また、不貞行為をするに至った経緯によっても、減額できるケースがあります。たとえば、既婚者である相手のほうから積極的に肉体関係を迫られ、職場の関係性などの理由で不貞相手側から断るのが困難であった場合、あるいは独身であると偽られ、不貞相手がそれを信じていた場合などです。これらの場合は不貞相手側の責任が軽くなり、慰謝料を減額できる可能性があります。さらには、既婚者側である相手の婚姻生活がすでに破綻していたというケースも、証明できれば慰謝料の支払いを回避できることがあるでしょう。

  2. (2)謝罪文や誓約書の作成

    不貞行為をした相手の配偶者は、慰謝料請求だけでは怒りが収まらず、謝罪文や誓約書の提出を要求することがあります。要求に応じなければ話し合いが停滞してしまうこともありますが、早く解決したいからと安易に提出したり、サインしたりしてしまうのは禁物です。あなたにとって不利な状況に陥ってしまう可能性が高くなってしまうためです。

    弁護士に依頼することによって、相手の要求に応じたほうが良いか否かを判断し、必要があれば適切な謝罪文や誓約書を作成することができます。

  3. (3)代理人として交渉

    当人同士で直接交渉をすると、感情的な言い合いになってしまい解決自体が困難になることも少なくありません。また、不貞行為した側にとっては、話し合いの場に行くこと自体が精神的につらいものです。弁護士を立てていれば、代理人として代わりに話し合いに出席することが可能です。

    代理人となった弁護士は、法的な観点をもって解決に向けた交渉を進めることができます。話し合いが平行線になり解決が難しいと判断した場合は、調停や訴訟で解決へ導きます。

4、弁護士に依頼したときの費用と解決までにかかる時間

弁護士に依頼した場合の費用は、事務所によって変わります。ここでは、弁護士に依頼したときに、どのようなタイミングで費用が発生するのか、そして解決までにかかる時間の目安を解説します。

  1. (1)弁護士費用と問題解決の流れ

    弁護士に相談した時点で「相談料」が発生します。時間で金額が決められていることがほとんどですが、事務所によっては初回のみ60分無料などもありますので、活用してみるとよいでしょう。次に交渉や調停、訴訟に対応するうえで必要な費用となる、「着手金」があります。対応する範囲によって金額は変動します。

    弁護士の活動の結果、無事に問題が解決した時点で「報酬金」が発生します。これは、弁護士の活動の結果に対して支払われる費用です。活動の結果、確保できた経済的利益の額に対して何%といった成功報酬になることが多いでしょう。

    その他、出廷などに対して発生する日当、事務手数料や印紙代といった実費が発生することがあります。

  2. (2)解決までにかかる時間

    解決までにかかる時間は、個別の事情で変わってきます。話し合いのみで解決ができる場合は、お互いのスケジュールや話し合いの進み具合によります。双方が弁護士を立てている場合は、比較的短期間で解決できる可能性があります。

    当事者の主張に大きな食い違いがあるなど交渉がまとまらない場合には、調停や訴訟になります。任意の話し合いとは異なり、裁判所の期日は自由に決めることはできません。 また、期日は、おおよそ1か月に1回程度となるので早くても数ヶ月、長引くと1年以上かかる可能性があります。

5、まとめ

不貞行為をした相手の配偶者から慰謝料請求をされてしまったら、誰しもが不安になるでしょう。感情的になって話がまとまらない、支払いができるのか、誰に相談すれば良いのだろう……と、精神的にストレスを抱えてしまう方も少なくありません。

その点、弁護士へ依頼すれば、状況を整理したうえで法的なアドバイスをすることや、代理人として交渉に臨むことが可能です。スムーズな解決で問題を収束できれば、1日でも早くいつもの日常に戻ることができます。

不貞した側だからといって、不当に責任を問われる必要はありません。さらなるトラブルに発展する前に、早めに弁護士へ依頼することをおすすめします。弁護士には守秘義務があるので、あなたの秘密は守られます。

不貞行為の問題で慰謝料請求されてお困りの方は、ベリーベスト法律事務所 大宮オフィスへご相談ください。不貞行為した側の慰謝料問題に対応した経験が豊富な弁護士がスムーズかつ早期解決へ向けて全力でサポートします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています