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事業拡大を考える経営者が知っておきたい4つのポイント

2022年10月31日
  • 一般企業法務
  • 事業拡大
事業拡大を考える経営者が知っておきたい4つのポイント

さいたま市のホームページでは、市が提供している事業者向け支援について、対象者または支援の種類の条件で探せるページを公開しています。起業してから事業が安定期に入り、そしてさらなる飛躍のために事業拡大を図る企業の成長期は、このような支援が助けになることも少なくないでしょう。

事業拡大を見据えたとき、人材の確保、資金調達、新たな販売先や仕入れ先の確保、新たなサービスや製品の開発など……、経営者が直面する課題は多岐にわたります。

本コラムでは、事業拡大を図る成長期を迎えた中小企業が行うべきことや弁護士ができることについて、4つのポイントに絞り、ベリーベスト法律事務所 大宮オフィスの弁護士が解説します。

1、中小企業のライフサイクル

中小企業のライフサイクルをご存じでしょうか。起業後、企業はどのようなステージを歩んでいくのか、まずは簡単にご紹介します。

  1. (1)幼年期

    起業したばかりの幼年期は、ヒト・モノ・カネが十分ではありません。幼年期は、ヒト・モノに投資できるカネを蓄積するために、柱となる事業を十分な利益水準を出せるまで育てる段階です。

  2. (2)成長期

    成長期では、事業拡大がメインテーマとなります。この段階になると、経営者には、新たな資金調達手法の確立や新規事業の開発、拡大した組織をマネジメントする手腕が求められるようになります。

  3. (3)成熟期

    成熟期は、企業の事業拡大と成長が一段落した段階です。成熟期で重要なことは、市場においてより高いシェアを獲得するために、組織や業務プロセスを見直して、生産性の向上につなげていくことです。

  4. (4)衰退期

    衰退期に入った企業は、売り上げと利益率の低下が顕著になります。市場全体が衰退しているのであれば事業撤退を検討します。撤退しないのであれば改革を実行し、収益の回復を目指します。

2、事業拡大を検討する企業が直面する課題と行うべきこと

  1. (1)質の高い人材の確保

    起業時は会社の規模が小さいため、あなたや家族だけで事業を運営することができたかもしれません。しかし、事業拡大を図るうえでは、新たに人材を雇用しこれまであなたが行ってきた業務のうち任せられるものは任せ、あなたは他の重要な業務に時間を割くことができるようにする必要があります。言い換えると、これまであなたが行ってきた一部の業務を任せることができる、質の高い人材を探し出さなくてはならないのです。

    事業拡大のための「質の高い人材」の定義は、企業によってさまざまです。まずは自社の理念や業務内容に照らして必要な人材とはどのような能力をもつ人物なのか、どのような性格の人物なのか、必要な人材の定義を明確にしておく必要があります。

    そして、現在の業務量や今後の事業拡大の見通しから逆算して、採用すべき人数を決定します。もちろん、単純に人数だけをそろえればよいというわけではなく、企業の戦力として機能する人材を確保しなくてはなりません。

  2. (2)企業の成長に応じた組織体制の見直し・業務の合理化

    事業拡大とともに従業員数が拡大してくると、組織をマネジメントすることが経営者に求められるようになります。マネジメントとは、組織の目的を効率的に達成して企業価値を向上させるために、複数以上の関係者を管理・調整することです。このマネジメントを効果的に行うためには、組織体制を見直して、企業の規模拡大や経営環境に応じた組織体制にすることが必要です。

    事業拡大にともない業務が多角化・複雑化していく過程で、業務プロセスに非効率な部分が発生してくることがあります。そのため、経営者として定期的に部署内外の業務プロセスを見直して、改善すべき点は改善し業務の合理化を進めてください

    また、業務の推進が限られた人材で行われるなど、属人的な力量に依存せざるを得ない状況だと、その人が退職したときに大きな支障が出ます。業務マニュアルを整備するなどして、誰でもその業務ができるように業務の標準化も図ってください。

  3. (3)量的な労働力の確保

    成長期に入った企業は業務量が増大し、それを既存のマンパワーだけで対処することはどうしても無理が生じてしまいます。したがって、事業拡大に合わせた量的な労働力の確保、つまり新規雇用が必要になります。

    応募者の採用に際しては、決して印象論のみで判断しないことです。企業にとって必要な能力がなく、さらに企業理念に合致しない人材を採用したとしても、採用後にミスマッチを理由とした早期離職という結果につながるおそれがあります。

  4. (4)資金調達

    事業拡大には新たな設備投資が欠かせません。企業の剰余金や経営者個人の手元資金で賄うことができればよいのですが、そうでない場合は第三者からの借り入れや出資で調達する必要がでてきます。近年は、ベンチャーキャピタルからの出資や国や地方自治体の補助金・助成金など、資金調達手段は多様化しつつあります。しかし、事業拡大を図るためとはいえ、社歴が浅く企業規模も小さい成長期の企業にとって、希望する方法や条件で資金を調達することは難しい傾向があります。

    事業拡大のために必要とする資金調達量が明確になったら、事業計画書を作成したうえで調達する候補先と交渉します。このとき、交渉する資金調達候補先は最初から多めに考え、実際に資金を調達する先も多めに設定しておいたほうがよいでしょう。

    資金調達先の多様化を図っておくことは、企業としての信頼度のバロメーターにもなります。そして、今後のさらなる事業拡大や不測の事態に支援を受けることができるようにするために、資金調達先とのリレーション向上に努めてください。

  5. (5)新規事業の開発

    1つの製品やサービス、あるいは事業の柱が1つしかないなかで、企業を安定的・持続的に存続させることは難しいものです。企業が存続するためには事業拡大という成長が必要であり、成長は新規事業の開発によって可能になります。

    また、投資の世界で有名な格言のひとつに、「タマゴは1つの籠に盛るな」というものがあります。これは複数以上の投資対象に投資するポートフォリオを組むことにより、そのうちひとつの資産価値が値下がりしたとしても他の資産の値上がりで損失をカバーすることができるという、分散投資効果の基本的な考え方です。

    これは事業ポートフォリオにも同じことがいえます。単一の事業のままだと、その事業が失敗したときに企業そのものが立ち行かなくなってしまいます。事業拡大により複数以上の事業によるポートフォリオを組成することは、企業の存続にとって重要なのです。

    具体的な新規事業の開発とは、「新しい市場への参入」と「新しい製品分野への進出」の2つとなります。企業価値の向上につながり得る新規事業の機会を見つけたら、その分野における自社の強みや弱み、そして競争相手の脅威や参入の機会などを十分に分析したうえで参入の是非を検討してください。

3、主要な資金調達の方法と実情

  1. (1)金融機関等からの「融資」

    成長期における企業の資金調達手段として、金融機関からの融資は最も多く用いられているものです。

    金融機関は、企業から融資の申し込みを受けたとき、企業の財務状況、将来性や成長性、担保価値、そして経営者の人格などを総合的に勘案したうえで融資の可否を決定します。融資審査の際に最も重視されるものが、5年から10年先の企業の状況を数値化した事業計画書です。したがって、この事業計画書が企業の将来性と成長性を踏まえたうえで無理のない内容となっているかが、融資を受ける際の重要なポイントとなります。

    この他、融資を受ける手段として、近年は銀行などの間接金融以外の主体が投資家から集めた資金をローンの形で貸し出す「プライベート・デット」の活用が広がりつつあります。

  2. (2)社債発行

    社債は事業債ともいい、民間企業が不特定多数の人から資本市場を通じて資金を調達するために発行する債券のことです。ただし、社歴の浅い企業が社債を発行して資本市場から資金調達することは、現実的に難しいです。

  3. (3)ベンチャーキャピタルや個人投資家、家族・友人等からの「出資」

    出資とは、株式を発行し第三者に引き受けてもらうことで資金を調達する方法です。しかし、社歴の浅い会社が株式の発行によって資金を調達することは、社債の発行と同様にハードルが高いものです。

    ベンチャーキャピタルは、将来性はあるものの企業規模や社歴の浅さから資本市場からの資金調達が難しい企業の株式を取得し、将来的に売却して収益を確保することを目的とする投資会社です。成長期に入っている企業にとって、事業拡大のための資金調達先としての役割が期待できます。もちろん、金融機関等からの融資を受ける場合と同じように、出資を受けるためには審査をパスしなければなりません。

    また、家族や友人等から出資を受けることも一案です。ただし、オーナー経営者としての重要な意思決定権を渡したくない場合は、ひとりあたりの受ける出資比率を低く抑える配慮が必要です。

  4. (4)国や地方自治体の「補助金・助成金」の活用

    中小企業の育成と発展を重視する政府や地方自治体は、多種多様な補助金や助成金の制度を設けています。事業拡大のための補助金や助成金を受けるためには一定の条件をクリアする必要がありますが、多くの補助金・助成金は受けたあとに基本的に返済する必要がないということが大きなメリットです。

  5. (5)希望の方法で資金調達できる企業は少ない!?

    ここまで、安定・成長期における企業の資金調達方法についてご説明しました。

    少し古い統計ですが、「2017年版中小企業白書」によると、安定・成長期の企業において活用したかった資金調達方法としては、「ベンチャーキャピタル、投資組合・ファンド等からの出資」、「個人投資家からの出資」、「民間企業、その他の団体からの借り入れ」の順になっています。しかし、現実には「金融機関などからの借り入れ」が最も多く、「出資」や「社債」による資金調達を実現できている企業はほとんどいないことがわかります。希望の方法で資金調達できている企業は多くないのです。

    これまで述べたとおり、企業の資金調達手段にはさまざまな方法があります。これを自社の事業拡大タイミングとレンダーである金融機関等の資金運用ニーズをマッチさせることにより、お互いに理想的な資金調達が可能になるといえるでしょう。

4、事業拡大をめざす企業に対し弁護士ができること

  1. (1)契約書審査

    事業拡大とともに、契約を締結する取引先も増えてきます。そのときの契約書の確認が不十分だと、あなたの企業にとって一方的に不利な状態になるばかりか、契約そのものが法的に無効となることもあります。

    また、適切な内容の契約書を作成することによって、将来起こりうるトラブルを回避することは、健全な経営を行っていくうえで重要なことであり、取引先との信頼関係を築いていくためにも必要不可欠なことです。

    さらに、経済のグローバル化の流れを受けて、知的財産権の取り扱いに対する法的意識が高まり、知的成果物の帰属やライセンス許諾の規定など、ますます契約書に定める条項の重要性が高まっています。

    弁護士は、あなたの企業の立場で契約書の内容が妥当か否かを審査します

  2. (2)資金調達における法務DD(デューデリジェンス)の支援

    法務デューデリジェンスとは、取引状況などを確認し、法的問題の有無や企業活動における法的リスクを調査することです。先述のとおり、資金調達にはさまざま方法があります。どのような方法を採用するとしても、契約内容によっては今後の会社の運営に大きな影響を及ぼす可能性があります。したがって、資金調達の際の手続きや契約内容については法務デューデリジェンスが重要になります。

    弁護士は、資金調達時の法務デューデリジェンスの対応を行います

  3. (3)新規ビジネスの法務チェック

    事業拡大の過程で新規ビジネスを立ち上げようとしても、そのビジネスが違法なものであれば立ち上げることはできないことは当然のことです。また、ビジネスの場において「違法なことを知らなかった」は通用しません。摘発されてしまえば、すべての事業ブランドに影響を及ぼすことは間違いないでしょう。

    弁護士は新規ビジネスの適法性のチェックだけでなく、当局からの許認可等が必要な場合はその申請などについてのサポートを行います

  4. (4)労働問題への対応

    残業代の未払い、不当解雇、パワハラをはじめとした労働問題に対する世間の目は厳しくなっています。労働問題のために対外的な信用を失うことは、事業拡大の過程において避けなくてはなりません。

    弁護士は、労働問題を防ぐための法的なアドバイスや、もし労働問題が起きてしまったときに企業の代理人としての対応を行います

5、まとめ

事業拡大を図る成長期においては、法律面でお悩みになることもあると思います。そのとき、弁護士があなたの企業を法律面でサポートする心強いパートナーとなります。特に顧問弁護士契約を締結しておけば、包括的な法務サービスを受けることができます。

企業法務の対応に豊富な経験と実績を持つベリーベスト法律事務所では、ワンストップで対応可能な顧問弁護士サービスを、リーズナブルな価格で提供しております。顧問弁護士をご検討の際は、ぜひベリーベスト法律事務所 大宮オフィスの弁護士にご相談ください。あなたの企業のために、ベストを尽くします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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