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父の内縁の妻には相続権がない? 事実婚者の権利と遺産を渡す方法

2024年06月24日
  • 遺産を受け取る方
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父の内縁の妻には相続権がない? 事実婚者の権利と遺産を渡す方法

さいたま市のホームページでは、国民年金の被保険者が亡くなったときの手続きの案内の中で、事実婚を含む婚姻関係にあった方のうち、亡くなった方の収入で生計を立てていた方には寡婦年金が支給されることが記載されています。

このように、いわゆる内縁の妻であっても寡婦年金は受け取れる可能性があります。しかし、事実婚関係にある方に相続権はありません。

そこで本コラムは、被相続人の子どもの立場から見て「他界した父の内縁の妻」が持つ権利から、遺産相続について、ベリーベスト法律事務所 大宮オフィスの弁護士が解説します。


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1、内縁関係とは

内縁関係とは、婚姻意思に基づき共同生活を送っているが、婚姻届を出していないため、法律上は夫婦として認められない男女の関係をいいます。事実婚と呼ばれることもあります。また令和2年4月1日から始まっているパートナーシップ宣誓制度を利用している場合も、相続のシーンにおいてはこれに当てはまるでしょう。いずれも、見た目は一般的な夫婦と変わりません。

しかし、いくつか法律婚により法律上「配偶者」となっている夫婦とは異なる点があるのです。

  1. (1)内縁関係の判断基準と効果

    内縁関係にあるかどうかは、次のような複数の要素をもとに総合的に判断されます。

    • 同居をしているかどうか
    • 同居の期間
    • 生計を共にしているか
    • 周囲(友人、知人、近所になど)に紹介して夫婦と認識されているか
    • 挙式の有無
    • 認知した子どもの有無


    なお、「同棲」は、内縁関係を判断する要素のひとつに過ぎませんので、同棲しているからといって内縁関係であるとまではいえず、他の要素も含めて判断することになります。

    内縁関係が認められると、法律上の夫婦に準じた取り扱いを受けます。たとえば内縁関係には互いに貞操義務が課され、どちらかが不貞をすれば慰謝料請求の対象になります。

  2. (2)愛人との違い

    いわゆる「愛人」は、親密な男女関係の延長に過ぎず、法的に保護されることはありません。亡くなった父親に愛人がいても、単に食事やデートを重ねている関係であれば「彼女がいた」という程度にとどまります。

    しかし、愛人といっても長年生活を共にしており、被相続人の世話をしていたような人物であれば、前述した内縁関係が認められることがあります。このあたりは、呼び方ではなく実態がどうだったのかが重要になります。

2、内縁の妻は法定相続人になれる?

内縁の妻は法律上の妻と同様に保護される部分がある一方で、保護されない部分もあります。その筆頭が相続権です。

  1. (1)内縁の妻には相続権はない

    内縁の妻は法定相続人ではありません。たとえ何十年寄り添った関係であっても、被相続人の介護を毎日続けていたとしても、原則的には財産を受け取ることができないのです。婚姻届という紙切れ1枚の差ですが、それだけ法律上の婚姻関係は強い立場にあるといえます。

    ただし、一定の条件がそろえば、内縁の妻が遺産を受け取ることができるケースがあります。詳細は、次項「3、内縁の妻が財産を受け取れるケースもある」で解説します。

  2. (2)内縁の妻の子どもは相続人になれるのか?

    被相続人と内縁の妻との間に子どもがいた場合はどうでしょうか。

    婚姻関係にない男女の間に生まれた子どもは「非摘出子」といい、原則、相続権はありません。しかし、非摘出子は認知されれば相続人になれます。これは、被相続人と血がつながっていない「内縁の妻の連れ子」であっても同様で、養子縁組をしていれば相続人として認められます。なお、非摘出子と、摘出子の相続分は同等です。

    それならば現時点で認知されていなければ相続の権利はないのだと思うのは早計です。被相続人が亡くなった後でも、一定の条件下で認知を請求することができます(死後認知)。被相続人が遺言書に認知をするよう記載されていたケースや、子ども本人や内縁の妻が、被相続人の死後3年以内に認知を求める裁判を起こせば、認知が認められることがあります。その場合、内縁の妻の子どもも正当な相続人となりますので、遺産を分割する協議を行う際、参加するとともに合意してもらえなければ、遺産の分割ができないということになるでしょう。

    なお、内縁の妻のいわゆる連れ子であり、被相続人とは血がつながっていない、養子縁組なども行っていないが親子のような関係だったというケースがあるでしょう。しかし、その場合も、遺言などで特別に指定されていない限り、遺産を受け取ることはできません。

3、内縁の妻が財産を受け取れるケースもある

前述のとおり、内縁の妻は原則相続人になれません。しかし、遺産を受け取ることができるケースを具体的に紹介します。

  1. (1)特別縁故者として認められるケース

    特別縁故者とは、法定相続人が誰もいない場合に、被相続人の生前、身の回りの世話をしていた者や生計を共にしていた者などで、特別に相続権を認められる者のことをいいます。法定相続人が全員亡くなっている場合や、法定相続人が全員相続放棄した場合が該当します。

    家庭裁判所へ特別縁故者の申し立てを行い、認められれば特別縁故者となることができます。ただし、本コラムのケースでは被相続人の子どもがいる前提の話をしていますので、子どもが相続放棄をしない限りは内縁の妻は特別縁故者を主張できません。

  2. (2)遺言書があるケース

    遺言書があれば内縁の妻も財産を受け取ることができます。

    しかし、遺言書に「内縁の妻に全財産を相続させる」と書かれていた場合は注意が必要です。たとえ遺言であっても、他の相続人の「遺留分」を侵害することはできないためです。

    遺留分とは、一定範囲の法定相続人のために確保されている最低限の遺産取り分のことです。具体的には、配偶者、子ども、直系尊属(父母、祖父母など)が遺留分を主張できます。たとえば法定相続人が子どもひとりだけだった場合は、相続財産の2分の1が子どもの遺留分になります。

    この遺留分を侵害する遺言は認められないことを知っておきましょう。

  3. (3)そのほか(生前贈与、生命保険金など)

    ほかにも、次のような方法で内縁の妻が財産を受け取ることができます。

    ●生前贈与
    被相続人が生きている間に財産を贈与することをいいます。一定額を超えた贈与は遺留分侵害額請求(旧、遺留分減殺請求)をされることがあります。

    ●死因贈与
    贈与者の死亡によって効力を発揮する贈与契約のことです。死因贈与は口約束でも成立しますが、贈与者が死亡後、相続人は、書面がない死因贈与については履行が完了前であれば撤回することが可能な場合もあります。

    ●生命保険金の受取者指定
    被相続人が加入している生命保険金の受取人に内縁の妻を指定していた場合です。内縁の妻が受取人になれるかは生命保険会社や商品によって異なりますので、加入する前に事前に確認すべきでしょう。

    被相続人の子どもとしては、どのような方法でも財産の一部が内縁の妻の手に渡ることに納得がいかないこともあるでしょう。一方で、あらゆる方法をとってでも内縁の妻に財産を分けてあげたいという被相続人の感情もまた否定できるものではありません。できる限り故人の意向にそった解決を目指すことも大切なことです。

  4. (4)遺族年金

    遺族年金とは、生計を維持されていた方が亡くなった場合、残された遺族が受けることができる年金のことをいいます。

    年金法における「配偶者」は、「事実婚関係にある者」を含むとされており、内縁関係と生計維持関係が認められれば、遺族年金を受け取れるケースがあります。日本年金機構が内縁関係にあったかどうかを調査し、認められれば年金受給者となります。

    なお、子どもがいた場合、すでに社会人として自立していれば、通常は受け取ることができません。公的遺族年金を受け取る子どもの要件は原則高校を卒業する年までで(18歳になってから迎える3月末まで、障害があり、障害等級が1級・2級の場合は20歳になるまで)、死亡した者によって生計を維持されていた者に限られるからです。

4、まとめ

そもそも「内縁の妻」をはじめとした法律上「配偶者」となっていない方に相続権はありません。また、令和元年7月1日より民法改正で新たに設けられた「特別の寄与」制度や、令和2年の民法改正により新たに規定された「配偶者居住権」も、配偶者に対する者であり、事実婚関係者には適用されない点に注意が必要です。

亡くなられた方である被相続人の子どもからみて「父の内縁の妻」という立場の方がおられる場合、相続争いでトラブルになるおそれが十分にあります。話し合いで穏便に解決できれば一番よいのですが、そう簡単にはいかないケースは少なくありません。深刻な状況になる前に第三者である弁護士に相談することをおすすめします。

ベリーベスト法律事務所 大宮オフィスには、相続問題に対応した知見が豊富な弁護士がお力になれます。相続を行う際の問題が発生し、話し合いだけでは解決することが難しそうなときは、弁護士におまかせください。

ご注意ください

「遺留分減殺請求」は民法改正(平成31年7月1日施行)により「遺留分侵害額請求」へ名称変更、および、制度内容も変更となりました。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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