リフォーム詐欺で逮捕されたらどうなる? 量刑や逮捕後の流れとは
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大宮を含めた埼玉県を管轄する埼玉県警のホームページでは、悪質商法の一例として、リフォーム詐欺(不要なリフォームを勧めた後に高額な金額を支払わせる等)を挙げています。もし、このようなリフォーム詐欺をしてしまった場合、どのような処罰を受けるのでしょうか。
今回は、リフォーム詐欺で逮捕されるケースやその後の流れ等について、ベリーベスト法律事務所・大宮オフィスの弁護士が解説します。
1、リフォーム詐欺とはどのような詐欺? どのような行為が詐欺になる?
リフォーム詐欺とは、被害者に対して、「家が老朽化している。このまま放置すると数年で崩壊するかもしれない」などと不安をあおり、リフォーム代金を受け取りながら、実際には工事をしない、もしくは意味のない工事だけ行うという手口の詐欺です。
リフォーム詐欺の特徴として、以下のような点が挙げられます。
- 「家がダメになる」「シロアリがいる」など、不安をあおるようなウソを告げる
- 市場価格とかけ離れた、高額なリフォーム費用を請求する
- リフォーム費用を支払ったものの全く工事をしない、または無意味な工事をする
このような一連の行為は、刑法第246条に定められた「詐欺罪」に該当する可能性があります。
なお、リフォーム詐欺で逮捕される可能性があるのは、「お金を奪うために騙したケース」に限られます。たとえば、あなた自身は騙すつもりがなかったものの、運悪く工事で不具合が発生した等の場合には、そのことが立証できれば、詐欺罪は成立しないと判断される可能性があります。
しかし、捜査機関が、「お金を奪うために騙したケース」であるとして、詐欺罪が成立すると判断した場合には、逮捕される可能性があります。たとえ会社からの指示に従って詐欺をしていただけであっても、本人に「騙している自覚」があるのであれば、会社の代表者とともに、逮捕される可能性があります。
2、詐欺罪の量刑とは?
詐欺罪は、刑法の中でも重罰に分類されている犯罪で、「罰金刑」が存在しません。有罪となり執行猶予付き判決が下されなければ、刑務所に服役することになります。
刑法第246条では、有罪となったときの量刑について「10年以下の懲役」と定められています。そして、実際に何年刑務所に入るかについては、事例によって異なります。
初犯の場合、だまし取った金額が少ない場合、悪質でないと判断された場合等には、量刑が軽くなるだけではなく、執行猶予が付される可能性もあるでしょう。
また、詐欺罪は、未遂の場合にも罰せられます(刑法第250条)。したがって、結果的にリフォーム代金を受け取ることができなくても、リフォーム詐欺に着手していれば、逮捕される可能性があります。
3、リフォーム詐欺で逮捕された後はどうなるの?
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(1)72時間の身柄拘束
リフォーム詐欺で逮捕されると、最長で48時間、留置所に身柄を拘束されて警察から取り調べを受けます。その後、検察に事件が引き継がれ(送致)、24時間以内に検察官が「勾留」が必要かどうか判断します。勾留とは、逃亡や証拠隠滅の可能性がある被疑者を身体拘束する処分のことです。検察官は、勾留が必要であると判断した場合、裁判官に対して勾留請求を行い、この請求が裁判官によって認められると勾留が決定されます。
検察官が勾留は不要であると判断した場合、身体拘束が解かれて「在宅事件」となります。この場合でも無罪になった訳ではないため、引き続き捜査に協力する必要はありますが、以前の生活に戻ることができます。 -
(2)最長20日間の勾留
勾留期間は、原則10日間までと定められています。しかしながら、「やむを得ない事由」がある場合には、10日延長されて最長20日間勾留されることがあります。
勾留期間中、検察官は、「起訴するかどうか」について判断します。このように、検察官は、勾留期間中に「起訴するかどうか」について判断していることから、この間の弁護活動は非常に重要です。
日本の検察は、「しっかり証拠が揃っている」場合でなければ、起訴はしない傾向にあります。したがって、起訴された場合は有罪となる可能性が高くなります。一方、不起訴になった場合は、裁判が開かれずに元の生活に戻ることができます。 -
(3)刑事裁判
起訴されると刑事裁判が開かれます。刑事裁判において、裁判官は、検察官の言い分や被告人の言い分等を踏まえて、量刑や執行猶予の有無を判断します。
執行猶予が付された場合、執行猶予期間中に犯罪行為をしなければ、最終的には刑務所に入らなくても済むようになります。犯行を認めている場合、執行猶予付き判決を獲得する方針になることが多いでしょう。
また、執行猶予が付されるためには、被害者との間で示談が成立していることが重要になります。
4、リフォーム詐欺の時効
リフォーム詐欺の公訴時効は、犯罪が終わった時から7年で成立します。
ただし、国外に逃亡している場合、その期間中は公訴時効が停止します。
一方、リフォーム詐欺を行った場合、その被害者から、不法行為に基づく「損害賠償請求」をされる可能性があります。不法行為に基づく損害賠償請求の時効は、被害者が加害者を知った日から3年で成立します。
5、早期に弁護士に依頼する3つのメリット
詐欺事件を起こしてしまった場合、早期に弁護士に依頼することが非常に重要となります。
ここでは、早期に弁護士に依頼するメリットについて解説いたします。
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(1)孤独な身柄拘束時に対応してもらえる
逮捕中は、たとえ家族であっても面会できないことが多いです。それに加えて、警察官からの厳しい取り調べが行われているため、心身ともに焦燥してしまう方が少なくありません。
しかし、弁護士は、被疑者と接見する権利を有しています。このような接見を通して、不利な状況に陥ってしまうというリスクを軽減することができます。何よりも、孤独な状況の中で、サポートを受けることができるというのは非常に心強いものでしょう。 -
(2)逮捕前に最適な対策を採ることができる
逮捕前に弁護士に依頼すれば、逮捕されないための弁護活動を受けることができます。
たとえば、被害者との間で示談を成立させることで、被害届が提出されなければ、逮捕される可能性は低くなります。また、自首をすることで、量刑が軽くなったり執行猶予が付されたりする可能性が高くなります。
なるべく早いタイミングで、刑事事件の経験が豊富な弁護士に依頼することで、「総合的に」ベストな対応をすることができます。 -
(3)早い社会復帰が望める
弁護士に依頼した場合、逮捕されないための弁護活動、逮捕された場合は「勾留」されないための弁護活動、そして「不起訴」になるための弁護活動を受けることができます。
詐欺罪で逮捕された場合、まず懸念されるのは勾留ですが、その後の弁護活動が功を奏して「勾留の必要がない」と判断されることがあります。また、早期に示談交渉を進めることで、不起訴を勝ち取ることができれば、無罪放免となり元の生活に戻ることができます。
仮に起訴された場合でも、被害者との間で示談が成立している、自首をしている等の要素があれば、執行猶予付き判決が下される可能性が高くなります。すなわち、弁護士に依頼することで、普通の生活に早く戻れる可能性が高くなるのです。
6、まとめ
違法な営業手法を強行しているリフォーム会社に勤務している等の場合、被害届が提出されると逮捕される可能性があります。
早い段階で詐欺事件の経験豊富な弁護士に依頼し、弁護活動をスタートさせることが重要です。ベリーベスト法律事務所 大宮オフィスには詐欺事件の解決実績が豊富な弁護士が所属しています。ぜひ逮捕される前にご相談ください。親身になって最適な対策をアドバイスいたします。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています