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退職までに必要な期間は何日? 法律上で定められているルールとは

2023年08月14日
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退職までに必要な期間は何日? 法律上で定められているルールとは

総務省が公表している「年齢階級別転職等希望者数及び転職等非希望者数」によると、年々転職希望者数は増加の傾向にあり、2022年の転職等希望者数は前年比107%増の968万人でした。

転職者が増える一方、「退職を伝えたのに辞めさせてくれない」と悩む方も多いのではないでしょうか。会社に対し、退職の意思を伝えたところ、「就業規則上は1か月前だから退職を認めない」など引き止めにあうケースも少なくありません。

本コラムでは、法律の観点をもとに、退職まで何日の期間が必要なのか、就業規則の有効性、引き止めにあった際の対処法などを、ベリーベスト法律事務所 大宮オフィスの弁護士が解説します。

出典:「労働力調査(詳細集計) 2022年(令和4年)平均結果」(総務省統計局)

1、退職までの期間は、法律上で何日必要か?

退職の意思を伝えてから実際に辞めるまでの期間は、雇用契約によって異なります。以下、雇用形態別に、法律上の退職までの期間を解説します。

  1. (1)雇用期間に定めのない者の退職者(無期雇用)

    雇用期間の定めのない従業員の場合、退職の申し入れから2週間が経過すると雇用契約が終了します(民法第627条1項)。

    この2週間には、休日や祝日も含まれます。もし民法の定めと就業規則が異なる場合、民法が優先されるのが一般です。詳しくは「2、法律と就業規則、どちらが優先されるのか?」にて後述します。

  2. (2)雇用期間に定めのある者の退職(有期雇用)

    雇用期間の定めは、それぞれの労働契約条件によって異なり、原則として契約期間中に退職することはできません。

    ただし、当事者(会社および従業員)が雇用の期間を定めた場合であっても、「やむを得ない事由」があるときは、直ちに雇用契約を解消し、退職できるとされております(民法628条)。「やむを得ない事情」とは、病気・妊娠・出産・育児・介護などが該当します。こうした事情があれば退職が認められることがほとんどでしょう。

    また、雇用期間に定めのある者で、労働契約の期間の初日から1年以上経過している場合も、例外的に途中退職が認められるケースがあります。
    その場合、従業員が会社に対し、退職を申し出ることにより、いつでも退職することができます(労働基準法附則137条)

  3. (3)年俸制の場合

    年俸制で雇用されている場合、3か月前に退職の申し出をする必要があると聞いている方も多いのではないでしょうか。しかし、この3か月のルールは、会社側から申し出をする場合であり、労働者側は2週間前までの申し出をすれば問題ないとされています。

    会社とどのような雇用契約を交わしているかは、雇用契約書や労働条件通知書に記載されています。

    特に労働条件通知書は、会社に作成義務や書面交付等の義務があり、必ず労働者に明示すべきものです(労働基準法15条1項、同法施行規則5条4項)。記載されていない場合は、会社に明示を求めましょう。

2、法律と就業規則、どちらが優先されるのか?

多くの会社では就業規則などで「退職する●か月前までに申し出なければならない」と定めており、この期間を2週間以上に設けているケースが多いでしょう。

法律と就業規則、どちらが優先されるのかを解説します。

  1. (1)法律を優先とする裁判例

    法律と就業規則、いずれが優先するのかが争われた裁判例(高野メリヤス事件)があります。本事件では、会社の就業規則で「6か月前に退職を申し出なければならない」とされていました。しかし、裁判所は、このような就業規則の規定について、「民法627条の予告期間(2週間)は使用者のためにはこれを延長できないものと解するのが相当である。」と判示しています(東京地判昭和51年10月29日)。

    この裁判例に基づくと、退職の申し入れの予告期間について、2週間よりも長い期間を設定することが会社側にできないものとみられます

  2. (2)就業規則を優先とする見解

    一方で就業規則が優先されるという見解もあります。その根拠は、民法は任意規定なので労働契約や就業規則で民法と異なる定めをしておけばそれらが優先される、というものです。

    任意規定とは、当事者の意思によって適用しないようにできる規定のことを言います。円満退社をしたいのであれば、なるべく就業規則にのっとり申し出をした方が無難といえるでしょう。

  3. (3)どちらが優先されるのか?

    「6か月前までに退職を申し出る必要がある」など、就業規則で定められた期間が極端に長い場合は、労働者の退職の自由が極度に制限されているとして無効になる可能性が高いため、まずは弁護士にご相談ください

3、引き止めにあった時の対処法

悪質な会社では、辞めたいと言っているにもかかわらず強引に引き止め、損害賠償を請求すると脅してくることもあります。以下、対処法などを解説します。

  1. (1)引き止めにあった場合

    • 「辞めグセがつくぞ」
    • 「こんな忙しい時期に辞めるの?」
    • 「会社に残った者の気持ちを考えろ」

    などと言って、強引に引き止めてくるケースがあります。

    もし、会社と直接やり取りをするのが難しい場合、退職届(退職願)を渡さなくても、メールやチャットで、会社に対し、「退職の意思」があることをお伝えしましょう。郵便局に送付の証拠が保管される内容証明郵便で送付しておくとより安心です。

  2. (2)「損害賠償を請求する!」と脅された場合

    会社によっては

    • 「引き継ぎが不十分だ」
    • 「辞めたら損害賠償を請求する」

    などと脅してくる場合もあります。

    しかし、裁判で損害賠償請求が認められる可能性は低いのが実情です。なぜなら、損害の立証や、因果関係の立証が極めて困難なケースが少なくないからです。

    もし、会社から「損害賠償を請求する!」と言われた場合は、すみやかに労働問題の実績がある弁護士に相談することをおすすめします。

4、退職時に起こりやすいトラブル

退職時期について話がこじれると、以下のようなトラブルが起こることがあります。

  1. (1)退職金

    会社は「こんな時期に辞めるなら退職金を支払わない」など主張してくることがあります。
    しかし、退職金支給規程があり、一定の条件を満たしているのであれば会社は退職金を支払わなければなりません

    退職金の全額不支給は、原則として認められません。もし会社がこのような主張をしてきた場合、弁護士に相談することをおすすめします。

  2. (2)有給休暇

    会社が「有給を取得させない」などと主張してくることがあります。しかし、原則として一定の条件を満たしていれば有給は取得できます。

    退職日までに有給を消化して勤務期間を短縮することも可能です。会社によっては、有給休暇の買い取りを実施しているところもあります。もし有給休暇の取得でトラブルが生じた時には、弁護士にご相談ください

5、まとめ

今回のコラムでは、退職までに必要な期間を中心にお伝えしました。もし、2週間前に申し出をしたにもかかわらず強引に引き止められたり、退職金や有給休暇を消化させないと言われたりしたら、ベリーベスト法律事務所 大宮オフィスまでご相談ください。労働トラブルの実績がある弁護士が、あなたを全力でサポートします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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