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小説や絵画などの著作権は相続財産となるのか? 詳しく弁護士が解説

2021年02月16日
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小説や絵画などの著作権は相続財産となるのか? 詳しく弁護士が解説

「令和元年度版 さいたま市 保健統計」によりますと、さいたま市内では平成30年だけで10728名もの方が亡くなっています。つまり、この数字に近い件数の相続が発生していたということになります。

相続とは、相続人が被相続人の相続財産(遺産)を引き継ぐことです。そして相続財産は、金融資産や不動産にかぎりません。多種多様な財産が相続財産となります。特に被相続人が作家や画家などだった場合は、「著作権」が相続財産となることも考えられます。そして著作権のようなあまり一般的ではない財産についても、相続し、それ以降の印税収入を得るのであれば、適正な相続手続きをとる必要があります。本コラムでは、著作権のあらましから著作権の相続について、ベリーベスト法律事務所 大宮オフィスの弁護士が解説します。

1、著作権とは?

著作権とは、著作物を創作した場合に当該著作物について著作者(著作物を創作した人)に発生する権利の総称をいいます。実用新案権や特許権など他の知的財産権と異なり、著作権は著作物を創作したときに行政庁へ登録をする必要はなく、当然に権利が著作者へ発生することに特徴があります(著作権法第17条第2項)。

誤解されやすいのですが、「著作権」という固有の権利が存在するわけではありません。たとえば、著作物をコピーする権利を「複製権」、音楽を演奏する権利を「演奏権」、著作物を譲渡する権利を「譲渡権」というように、著作権にはさまざまな権利が含まれます

著作権法第2条第1項第1号によりますと、「著作物」は「思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するもの」と定義されています。

しかし、このうち「文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するもの」との要件はあまり厳密に解釈されているわけではなく、知的・文化的精神活動により作り出されたものといえるのであれば、基本的にこれを満たすと解されています。出版された小説やマンガ、絵画、映画、音楽などが著作物に該当することについては一般に知られているところです。この他にも演劇、地図、コンピュータープログラム、技術書など、著作物として認められる範囲は多岐にわたります

2、相続できる著作者の権利……著作(財産)権

「著作(財産)権」とは後述する著作者人格権とともに著作者の権利を構成する権利であり、それが侵害されることで著作者が経済的な不利益を受けること等を防ぐことを目的としています。

著作権は、他の知的財産権と同様に譲渡したり、相続することができます

先述のとおり、著作権の中には以下に挙げるさまざまな権利が含まれています。これらの権利の束を総称して著作権と呼ぶのです。著作権者は著作権を独占的に用いることができ、他者がこれらの権利を用いることを承諾することもできます

  1. 複製権(著作権法第21条) 著作物を複製(コピー)する権利
    上演権および演奏権(同第22条) 著作物を公衆に見せ、または聞かせることを目的として、上演または演奏する権利
    上映権(同第22条の2) 著作物を公に上映する権利
    公衆送信権等(同第23条) 著作物を公衆送信する権利。自動公衆送信の場合は、サーバーにアップロードするなど送信可能な状態にする権利
    口述権(同第24条) 言語の著作物を公に口述する権利
    展示権(同第25条) 美術の著作物または未発行の写真の著作物を、公に展示する権利
    頒布権(同第26条) 映画の著作物をその複製物により、頒布する権利
    譲渡権(同第26条の2) 著作物を、一定の場合を除き、その原作品または複製物の譲渡により、公衆に提供する権利
    貸与権(同第26条の3) 著作物をその複製物の貸与により、公衆に提供する権利
    翻訳権および翻案権等(同第27条) 著作物を翻訳、編曲、翻案等する権利
    1. ※この他、二次的著作物の利用について原著作物の著作者は、二次的著作物の著作者が有するのと同一の種類の権利が認められるとされている(同第28条)。

3、相続できない著作権……著作者人格権

上記の著作権とは異なり、「著作者人格権」については相続することができません

著作物とは、著作者の思想や感情という精神や創造性の表れともいえます。そのような精神や創造性、さらには著作者の人格的・精神的利益を保護するための権利が、著作者人格権なのです。

そして、著作権法第59条において著作者人格権は、著作者の一身に専属する権利であるものと規定されています。そのため、著作者人格権は他人に譲渡することも、相続することもできないのです。

著作者人格権が相続できないことについては、著作権法第60条が著作者が死亡したあとでも著作者人格権を侵害する行為を禁止していることからも裏付けられています。

著作者人格権には、以下の3つがあります。

  1. 公表権(著作権法第18条) 著作権者の著作物を公表するかどうか決定する権利
    氏名表示権(同第19条) 著作物に著作権者の著作者名を表示するかどうか。表示するのであれば、どのような著作者名にするのか、著作者が決める権利
    同一性保持権(同第20条) 著作者の著作物の内容などを著作者の意に反して改変されない権利

4、著作権を相続するには、どうすればいい?

  1. (1)著作権の相続手続きは? 

    先述のとおり、著作権は著作物が制作された時点で自動的に発生しますしたがって、著作権を相続するとき、原則として、移転登録などの特別な手続きは不要です

    ただし、複数の相続人がいる場合で、相続分と異なる内容で相続したことを第三者に対して主張するためには、著作権移転登録の手続きをとる必要があります。この際、所定の申請用紙に加え、移転の原因を示す戸籍謄本や遺産分割協議書、著作物の内容を示す明細書等の提出が必要となります。

    なお、著作(財産)権は財産権ですので、その他の相続財産と同様に相続放棄することも可能です

  2. (2)著作権の評価方法

    著作権の相続税評価は、以下の方法で計算します。

    年平均印税収入額×0.5×評価倍率


    ここでいう年平均印税収入とは、相続が発生する前の3年間に相続対象の著作権から発生した印税収入の平均額です。また、評価倍率とは毎年の複利現価率を合計したもので、複利年金現価率ともいいます。

  3. (3)相続人がいない場合、著作権や印税は?

    著作権者が死亡したものの、相続人が存在しない場合は、著作権法第62条第1項第1号の規定により当該著作権は消滅します。これにより、当然、当該著作物には印税収入も発生しなくなります。

    不動産や金融資産は、相続が発生した段階でその所有者に相続人がいない場合、国庫に帰属することが原則とされています。しかし、著作物は、社会共有の財産として誰でも自由に利用できるようにしたほうが「文化の発展」という著作権法の目的(著作権法第1条)に合致しているといえます。相続人がいない場合に当該著作権が消滅するとの規定は、このような法の目的を背景としています。

5、著作権の保護期間について

  1. (1)基本は70年

    先述のとおり、著作権法の目的は「文化の発展」です。
    著作物について、一定期間の排他性を認めて著作権者の経済的利益を確保したあとは、社会の共有財産として一般に幅広く活用されたほうが、文化の発展に資すると考えられています。

    そこで著作権法第51条第2項では、著作(財産)権が存続し保護される期間について、原則として著作者の死後(共同著作物の場合は、最後に死亡した著作者の死後)70年を経過するまでと規定しています。

    つまり、著作権は、著作物が創作されたその時点から発生し、著作者の生存している間およびその死後70年間保護されることになるのです。

    ただし、著作物が無名の作品として発表されている場合や、ペンネーム等で発表されている場合には、誰が著作者なのかわからなくなってしまいます。そのため、無名・変名の著作物や団体名義の著作物に関しては、例外的に公表後70年を経過するまでの間を著作権の保護期間としています(著作権法第52条)。

    なお、保護期間の計算方法は、著作権法第57条の規定により死亡・公表・創作した年の「翌年の1月1日」から起算します。

  2. (2)戦時加算に注意

    著作権者が外国人であり、かつ相続する対象の著作権が第二次世界大戦前または大戦中に取得したものである場合は、「戦時加算」に注意が必要です。

    著作権における戦時加算とは、アメリカやイギリスなど第二次世界大戦の連合国の国民が第二次世界大戦前または大戦中に取得した著作権については、通常の存続期間に加算して、より長く保護しなければならないという制度です。この戦時加算は、日本が敗戦した結果として締結されたサンフランシスコ平和条約に基づいています。したがって、ロシアや中国などサンフランシスコ平和条約に調印していない国については、考慮する必要はありません。

    たとえば、昭和19年に死亡したアメリカ人が昭和18年に創作した著作物の著作権の保護期間は昭和20年1月1日から起算して70年ですので、本来は平成26年12月31に満了となっているはずです。しかし、戦時加算によってこれに3794日という10年以上の延長が加わるのです。

    なお、戦時加算の日数は国によって異なりますので、事前にご確認ください。

6、まとめ

相続はトラブルが発生しやすいイベントであり、かつ戸籍謄本の取得など役所での手続きも複雑になるケースも少なくありません。したがって、他の相続人とトラブルが予想される、平日の日中は仕事で忙しい、そもそも相続手続きは何をすればよいのかよくわからないという方は、弁護士に相談することをおすすめします。

また、相続における著作権の評価額の計算は、印税収入などを加味しなければならないため専門的な知識が必要と考えられます。相続税評価額を計算する際は税理士などの専門家に依頼するとよいでしょう。

ベリーベスト法律事務所では、このような相続の法的な手続きから相続税の申告・納付まで、ワンストップでサポートを提供することが可能です。さいたま市近郊で相続のことでお悩みのときは、大宮オフィスまでご相談ください。あなたのために、ベストを尽くします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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