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借金は時効が来たら返さなくていいって本当? 必要な手続きと債務整理

2021年06月17日
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借金は時効が来たら返さなくていいって本当? 必要な手続きと債務整理

司法統計によりますと、大宮エリアを管轄するさいたま地方裁判所では令和元年に自己破産4049件、小規模個人再生677件が新規に受理されています。借金などが原因で経済的に行き詰まり、法的手続きによる救済を受ける方は少なくないといえるでしょう。

他方、返済をしないまま「時効」を迎えたら、払わなくてよくなると聞いたことがある方もいるでしょう。しかし、当然ながら一方的に踏み倒すことはできません。返済不要となるためには、いくつかの要件がありますし、一定の手続きが必要となります。
本コラムでは、時効が成立するための要件や手続き、および時効が成立しなかったときの債務整理の方法について、ベリーベスト法律事務所 大宮オフィスの弁護士が解説します。

1、そもそも時効とは?

時効とは、ある事実状態が一定期間続いた場合に、その事実状態に法律上の効果を与える制度です。

法律が時効制度を定める理由は、以下のような考え方によるものといわれています。

  • ある事実状態が長い間継続して存在したことによって生まれた権利や秩序を維持するため。
  • 時間の経過とともに困難になる証拠保全を救済するため。
  • 権利の上に眠る者は法の保護を受けるに値しないこと。
  • 長く権利を行使しない者には権利放棄の意思があると推定されること。

2、時効が成立するためには?

時効には一定期間が経過することにより権利の取得という効果が生じる「取得時効」と、権利の消滅という効果が生じる「消滅時効」があります。

借金している「債務者(さいむしゃ)」にとって重要なのは「消滅時効」です。これは、お金を貸している「債権者(さいけんしゃ)」にとっては「債権の消滅」ということになります。

ここでは、主に消滅時効が成立するための要件について知っておきましょう。

  1. (1)借金の消滅時効は何年?

    まず、消滅時効について民法の規定をみてみましょう。

    第166条(債権等の消滅時効)
    債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
    1 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。
    2 権利を行使することができる時から10年間行使しないとき。


    民法では、債権者が権利を行使することができるときから5年間権利を行使しなければ、その権利は時効によって消滅すると規定されています。
    少しわかりにくいので借金を例にして簡単に言い直しますと、他人にお金を貸した人(債権者)は、貸したお金を返せ、と言えるときから5年間何もしないままでいると、お金を返すよう主張できる権利が消滅するため、貸したお金を返してもらえなくなってしまうということです。
    借金を負っている債務者にとっては、人にお金を借りても、返さなければならないときから5年間何もなければ(後述する「更新事由」がないということです)、消滅時効が成立したとして、借りたお金を返さなくてもよいということになります。

    なお、この5年間の消滅時効というのは、基本的には令和2年4月1日から施行された改正民法の制度によるものです。したがって、令和2年3月31日より前に借りた借金の消滅時効期間は、以下のとおりとなります。
    ●個人間などの借り入れ……権利を行使できるときから10年
    ●貸金業者や銀行からの借り入れ……権利を行使できるときから5年

  2. (2)時効の効力を発生させるためには、援用が必要

    時効に必要な期間が経過しても、何もしないままでは時効の効力は発生しません。

    債務者は、時効の完成によって借金返済の義務が消滅するという利益を受けます。しかし、債務者は、債権者に対して時効完成を主張しないかぎり、時効の利益を受けられません。この主張を時効の「援用」といい、民法145条に定められています。
    つまり、債務者が時効により借金が消滅したと主張するには、消滅時効を援用しなければならないのです。

    時効を援用する方法は、内容証明が一般的です。内容証明郵便は、送付された相手方に対して特段の法的効力を持つものではありません。しかし、内容証明郵便を利用することで、債務者が時効を援用するとの書面を債権者に送付したということが記録として残りますので、後日、時効援用したかどうかの争いになることを防ぐ効果が期待できます。

    なお、「時効は援用しない」という契約内容で借金していたとしましょう。時効を援用せず、時効による権利を主張しない旨を認めることを、「時効の利益の放棄」といいます。しかし、民法146条において「時効の利益はあらかじめ放棄できない」と定められているとおり、あらかじめ時効の利益を放棄する契約を結んでいたとしても無効になります。時効によって受けられる利益を放棄することは、時効が完成したあとにおいてのみ可能なのです。

3、時効の成立は難しい?

前述のとおり、一定期間を経過することと、時効を援用することで借金は時効によって消滅し、支払義務はなくなります。
もっとも、借金が時効によって消滅することは、簡単ではありません。
なぜなら、債権者にとって貸したお金を返せといえなくなってしまうのは死活問題ですので、時効が完成しないように手を打ってくるためです。
債権者が時効の完成をさせないようにするための手段が「更新」です。
民法147条では時効が完成しない更新事由として、①裁判上の請求、②支払督促、③調停を挙げています。また、債務者がその事実を「承認」すると、時効は更新します。

これらの事由があると、そのときまでに進行してきた時効は完成しないのです。
つまり、消費者金融からの借金ですと、基本的には最後の取引の日から4年何もなければ、あと1年で借金返済義務は消滅するのですが、そこで債権者から支払督促を受けると消滅時効は完成しないということになります。
そして時効が更新されると、その更新事由が終了したときから新しく時効期間が進行することになります。

また、時効の完成が間近に迫った際に、天変地異などのやむを得ない理由から時効の完成を猶予する制度として、民法第158条から第161において「時効の完成猶予」を定めています。

さらに、改正民法では、当事者間で争いがある場合は書面などによる合意があることを前提に時効の完成猶予ができる「協議による時効の完成猶予の規定」が新設されました。

いずれにせよ、多くの債権者は時効の完成を防ぐために更新や完成猶予の手だてを講じてくるでしょう。したがって、時効による借金の消滅に期待することは、あまり現実的ではないといえるでしょう。

4、借金にお困りなら債務整理を!

時効が期待できない場合は、やはり返済するしかありません。それが難しい場合は裁判所を通じた債務整理を検討する必要があります。以下では、代表的な債務整理の手段についてご紹介します。

なお、いずれの手段を用いることになったとしても、あなたから債務整理の依頼を受けた弁護士が送付した受任通知が債権者に届いた時点で、あなたに対する債権者からの取り立てが一時的にストップします。そのため冷静に今後のことを考えながら債務整理を進めることができるでしょう。

  1. (1)自己破産

    自己破産とは、簡単に言えば、裁判所にすべての借金の返済義務を免除してもらう手続きのことです。自己破産したい旨を裁判所に申し立て、「支払い不能」の状態であることが認められると「免責許可」が決定され、借金の返済義務そのものが基本的に免除されます。

    ただし、無条件に借金がなくなるわけではありません。たとえばギャンブルや浪費が原因の借金などの場合には「免責不許可事由」に該当し、免責が許可されないこともあります。申し立てた人が自宅など一定の価値がある資産を所有している場合には、これらの資産は基本的にはすべて換価されて、債権者の返済に充てられます。

    自己破産は日常で使用するもの以外の私財が基本的には換価されることに加えて、以下のデメリットがあります。

    • 信用情報機関のリストに掲載されるため、一定期間クレジットカードや住宅ローンを含む借金ができなくなる
    • 自己破産手続き中は警備員など就けない職業が一部ある
    • 個人の住所氏名が官報に掲載されてしまう


    自己破産はあくまで最終手段であるということをご認識ください。

  2. (2)個人再生

    個人再生は、ある程度の自助努力による借金返済を前提としたうえで借金の減額を受けられる債務整理方法です。保有している資産は換価されないという点などで自己破産と異なります。また、住宅資金特別条項を利用すると、住宅ローン以外の債務について債務整理をしながら、住宅ローンの支払いを続けて、自宅を維持することが可能となる場合があります。

    裁判所に個人再生手続を申し立てて、手続きが決定されると、3年から5年の間で分割して返済する再生計画を立てます。この際、返済額は最大で90%も減額になる場合があります。この再生計画について債権者の同意が得られ、裁判所からの認可がおりれば、その後は再生計画に沿って返済をしていくことになります。

    個人再生においても、個人の住所氏名が官報や信用情報機関のリストに掲載されます。したがって、個人再生に踏み切ることについては自己破産と同様に慎重な判断が必要です。

  3. (3)特定調停

    特定調停とは、簡易裁判所の調停委員を介して、債権者と返済計画や利息などについて話し合いにより合意を目指す方法です。債権者とは顔を合わせませんので、冷静な話し合いが期待できます。

    ただし、調停委員は必ずしもあなたの味方ではないこと、話し合いの結果次第では借金の総額が減らない可能性があることに注意が必要です。

  4. (4)任意整理

    任意整理では、債権者と債務者が話し合いを行い、無理のない返済ができないよう交渉する債務整理方法です。

    まずは借金の金利相当分を利息制限法の上限金利(15%から20%)まで引き下げた前提のもと借金総額を再計算のうえ減額を交渉します。さらに原則として以後の金利支払いを免除とし、債務の元本を3年程度で返済する和解契約を債権者と締結します。そして以後の債務者はこの和解契約に基づいて返済し、借金を整理していきます。

    任意整理の手続きには裁判所は一切介在しません。したがって、財産が差し押さえられることや、官報に載ることもありません。また、整理をする債務の種類を選ぶことができます。ただし、信用情報機関のリストに掲載される可能性はあるでしょう。

    任意整理は、債務者個人でも行うことができますが、債権者と対等な立場で直接交渉をする必要があります。この交渉を有利に成立させるためには、弁護士のように知見と経験に裏付けられた交渉力を持つ専門家を代理人とすることが一般的です。

5、まとめ

時効に期待して長い時間身をひそめたとしても、成立するかどうかはそのときまでわかりません。早期かつ確実に借金の問題を解決するためには、やはり弁護士に依頼することが望ましいといえます。

多くの人が、借金の整理に対する知識や経験など、ほとんど持ち合わせていないことが普通です。債務者がひとりで問題解決に向けて取り組むことは難しいでしょう。この点、弁護士をあなたの代理人として立てることにより、知識と経験の問題は解決されます。

ベリーベスト法律事務所 大宮オフィスでは、借金問題の解決を承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。弁護士は、豊富な経験と実績から債務者の状況を理解し、解決に向け最適な交渉や実務を代行します。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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